クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で起きた新型コロナウイルスの集団感染で乗客らが異例の船内待機を強いられる中、長崎市のタクシー運転手、大石孝志さん(48)のタクシーの車体に乗客乗員へ向けたさまざまな激励メッセージが寄せられている。「ダイヤモンド・プリンセス頑張って!」−。“長崎生まれ”の豪華客船に、市民が熱い思いを届けようとしている。
 ダイヤモンド・プリンセスは三菱重工長崎造船所が建造した。建造中だった2002年10月、大火災に見舞われ、2番船の船名を入れ替えて04年2月に竣工(しゅんこう)した。
 大石さんは安全タクシー(長崎市戸町2丁目)の運転手。観光客を楽しませようと、3年半ほど前から水性マーカーで車体に日替わりメッセージを書き始めた。クルーズ船が停泊する松が枝国際ターミナルで客待ちをすることも多く、時々寄港するダイヤモンド・プリンセスの乗員には顔見知りもいる。「(建造地の)長崎の人間で、クルーズ船には恩がある。明るい話題で励ましたい」と考えたという。
 バレンタインデーの14日、大石さんは「船内で一生懸命頑張っている人たちにあたたかいメッセージを贈ろう」とタクシー利用客や通行人に呼び掛けた。「ずっと応援してます! 頑張って!」「船員の皆さまを尊敬しています」−。英語や中国語、タイ語を含む激励のメッセージが車体を埋めた。13日から長崎に寄港し、14日に出港したクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」の乗員も「同じ客船として応援しています。一緒に頑張りましょう!」などと書き込んだ。
 大石さんは「ダイヤモンド・プリンセスは火災も乗り越えた。きっとウイルスにも負けない。みんなの思いが乗客乗員に届いてほしい」と話す。大石さんはフェイスブックで車体の様子を発信しており、乗客乗員が下船するまで続けたい考えだ。