長崎県対馬市上対馬町五根緒地区の山中で野生シカを捕獲するわなに掛かり、負傷した状態で保護されていた国天然記念物ツシマヤマネコの雄の成獣1匹について、環境省対馬野生生物保護センターは20日、けがが回復したとして自然に返した。

 ツシマヤマネコは2月1日、左前脚がワイヤで締め付けられ、負傷しているのを、わなを仕掛けていた付近住民が発見。同センターで治療し、回復したことから、誤捕獲された付近で自然に放った。ツシマヤマネコは力強く山の斜面を駆け上り、山の奥へと去っていった。
 同センターによると、ツシマヤマネコが誤捕獲され自然に返される事例は珍しい。山本以智人上席自然保護官は「頻繁にわなの見回りがされていたからこそ助かった命。4月までは繁殖期なので、この雄も世代をつないでくれれば」と話した。
 ツシマヤマネコの生息数は約100匹と推定されている。