長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対住民らが県と同市に工事差し止めを求めた訴訟は24日、長崎地裁佐世保支部で判決が言い渡される。利水面、治水面でのダムの必要性に加え、必要性のない工事で平穏に生きる権利を侵害されたなどとする反対住民らの訴えについて、司法がどう判断するのかも注目される。
 県は2010年3月、ダムで水没する県道の付け替え工事に着手。住民側は16年2月、「必要性のない事業で人格権を侵害している」として、県と同市に対し、工事差し止めを求める仮処分を同支部に申し立てたが、同支部は同年12月、「工事禁止の緊急性がない」として却下。同支部が判断を避けたダムの必要性や住民の権利侵害を争うため、住民側は17年3月に提訴した。
 計13回の口頭弁論で、住民側は同市の水需要予測や県の治水計画の問題点を指摘。当事者尋問では、工事や土地の収用手続きによる権利侵害を主張した。
 県と市側は、住民らが国に事業認定取り消しを求めた訴訟で、ダムの公益性を認めた長崎地裁判決を援用し、「原告側の主張は理由がない」と主張している。
 同事業を巡っては、反対派の阻止行動を受けて県が過去2回、住民ら計42人の通行妨害禁止を求める仮処分を長崎地裁佐世保支部に申し立て、同支部は26人について通行を妨害しないよう命じる決定を出している。