新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の延期を含めて検討する方針を示した23日、「ホストタウン」として各国選手団を迎え入れる予定の長崎県内自治体からは「推移を見守るしかない」「早く決定を」など先行きを案じる声が相次いだ。

 ホストタウンは参加国・地域の選手らと住民との交流を図るための制度。各自治体が事前合宿の支援や交流事業に取り組み、国が財政支援をする。県内では長崎や佐世保など9市町が県と共同で登録している。
 長崎県スポーツ振興課によると、4月以降に合宿が決まっていたのは、アーティスティックスイミングのポルトガル選手団のみ。4月20〜27日、長崎市の市民総合プールで練習を予定していたが、3月17日にキャンセルの連絡があった。
 長崎県の担当者は「県内の自治体で受け入れを予定する他の国のスケジュールも未定。五輪を予定通り開催するのであれば事前合宿は6、7月ごろ。IOCの決定の推移を見守るしかない」と悩ましげに話す。
 長崎市はラオス、ベトナム、ポルトガルから選手団を受け入れる予定。長崎市スポーツ振興課は「結果がどうあれ、選手たちに最善の練習環境を用意したい」と準備を進める。ただ、現在の状況で受け入れた場合、「市民と交流の場を設けるのは難しいだろう」と複雑な心境をのぞかせる。
 バドミントン男子のベトナム選手団の事前合宿を受け入れる予定の大村市は、6月下旬から7月下旬まで宿泊施設や体育施設を仮押さえしている。大村市の担当者は「延期になった場合、施設を再び押さえるなどの準備が難しくなるのではないか。いずれにせよ、早く決定してほしい」と訴える。
 ハンドボールのスペイン選手団を誘致している佐世保市は「児童や生徒に世界レベルを間近で見てもらいたい。ただ、日々のニュースでさまざまな情報が飛び交っており、今の状況は不安」と心配な様子。レスリングのスペイン選手団などが事前合宿を予定する島原市は「不完全な形での実施、延期、中止。どの決定になっても対応できるよう粛々と準備を進めている」。
 陸上のベトナム選手団などの事前合宿予定地、諫早市は聖火リレーの実施方針にも気をもむ。予定日の5月8日に向けて動いているが「五輪が延期になればリレーはどうなるのか」。日程入りの横断幕やのぼり旗などは発注済み。担当者は「リレーの日程が変更になれば使えなくなるかもしれない」と不安を口にする。