五島列島の地質や地形、自然環境などの日本ジオパーク認定を目指す「五島列島ジオパーク推進協議会」は本年度、地域資源の価値を伝える「ジオガイド」の養成に本腰を入れる。計12回の連続講座を開催し、地元住民30人が年末のガイド認定試験に向けて専門家から学ぶ。初回講座が24日あり、長崎大名誉教授の中西弘樹氏らが五島の貴重な動植物と、地形や気候との関わりについて説明した。
 同協議会は2017年、行政や観光関係者、学識者らが設立。昨年、日本ジオパーク委員会の審査を受けたが、結果は認定見送り。ガイド養成や学校での教育活動などを充実させた上で、来年、認定審査に再挑戦する。
 24日の講座では、植物生態学が専門の中西氏が、五島列島には「南方系植物」と「海岸植物」、「草原植物」が多いという特徴を紹介。海、島、火山の三つのキーワードで理由を説明した。例えば五島は周囲を海に囲まれているため冬でも九州南部と同じくらい温かく、ハマジンチョウやタヌキアヤメといった東南アジアなどに生息する植物が観察できるという。また火山活動でできた複雑な形の溶岩海岸には、豊富な種類の海岸植物が生息している。
 市内の自然環境を紹介する市の施設、鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター職員の出口敏也氏は、五島から中国大陸に向けて飛び立つ渡り鳥「ハチクマ」、本土から五島へ海を越えて飛んでくるチョウ「アサギマダラ」の生態や観察結果を説明した。
 ガイド養成講座は全12回中8回以上(4回は必修)の受講が条件。12月の認定試験に合格すれば、ジオツアーや講演会のガイドを任される。受講した同市上大津町の主婦、坂口美知子さん(71)は「昔から植物が好き。多くの人に島の植物の魅力を伝えられるジオガイドになりたい」と意気込んだ。