対馬市の対馬農業協同組合(JA対馬)は26日、元幹部の男性=当時(44)=による共済金の不正流用問題について調査した第三者委員会の最終報告を発表し、元幹部が不正流用した共済金は2010年度からの9年間で計約17億7600万円だったと明らかにした。

 昨年10月の中間報告時点より被害額は約5億4700万円増えており、被害者は全体で476個人と13法人だった。これまでに194個人と4法人に計4億7千万円を返還したという。
 共済金の不正流用は昨年1月に発覚。内部調査中だった翌月、元幹部は車の海中転落事故で死亡した。弁護士や公認会計士でつくる第三者委員会は7月から調査を開始。記録が残る10年度以降の書類や、元幹部が使っていたパソコンの解析などを通じ、被害額や手口の検証をしていた。
 JA対馬によると、元幹部は過去の共済金請求に使った建物の罹災(りさい)写真を繰り返し使用する手口で被害を偽装し共済金を不正に得ていたほか、共済の無断解約などをしていたと第三者委員会が指摘。流用した共済金の使途については確認できなかったとしている。
 記者会見で、JA対馬は昨年度決算に13億8700万円の未収金を計上する方針を説明。旧経営陣も含めた損失補塡(ほてん)や責任の在り方を検討するため、弁護士ら第三者でつくる「役員責任追及委員会」を近く設けることを明らかにした。また、2010年度以前の被害については「申し出があれば真摯(しんし)に受け止めて対応していきたい」と述べ、元幹部遺族への損害賠償請求については「訴訟中のため回答を差し控える」とした。