長崎大学病院であった出産時の手術の不手際により苦痛を受けたとして、患者の女性らが長崎大に損害賠償を求める訴訟を起こし、第1回口頭弁論が30日、長崎地裁(天川博義裁判長)で開かれた。病院側は請求の棄却を求めて争う姿勢を示している。
 原告らによると、女性は2019年4月、同病院で帝王切開手術を受けた。その際、手術道具の一部が体内に残ったまま一度閉腹。これを取り出すために再び開腹された。女性は術後、細菌感染症によるとみられる高熱を発症し、数日間にわたって苦しんだという。病院側からの正式な謝罪はないとしている。
 訴状では、病院は手術で体内に残留物がないように十分注意する義務があったとし、その後の発熱とそれに対する治療を含め「ひどい苦痛」を受けたと主張。約410万円を請求した。女性は取材に「手術後は体も心も本当につらかった」と話し、謝罪を求めた。
 病院側は取材に2度開腹したことを認め、原告との間で民事調停が不成立になっていたことを明らかにした。一方、手術の予定時間は延びたが医療ミスには当たらないとの見解を示し、「調停が不成立だったことは残念だ」とコメントした。