「壁」なんてくだらないと、トランプ支持者が怒りはじめた

<「国境の壁」にこだわるあまり政府機関の一部閉鎖を長引かせるトランプに支持者からも批判の声>

2016年11月の米大統領選でドナルド・トランプに投票した有権者たちが、不満を募らせている。メディアの報道や世論調査の結果を見る限り、不満の矛先は、「国境の壁」の建設にこだわるあまり1カ月以上も政府機関の閉鎖を続けるトランプの姿勢に向けられているようだ。

ミシガン州に住む45歳の機械技師、ジェレマイア・ウィルバーンは、1月21日付けのワシントン・ポスト紙にこう語る。「トランプ大統領には特に不満はなかった。今度の政府機関閉鎖まではね」 

2016年の大統領選ではトランプに投票した。「ばかげた話だ。メキシコとの国境に50億ドルもかかる壁を作るなんて不可能だ。メキシコがその費用を払うはずもない。そんなことはお見通しだ。私のようにトランプに背を向ける支持者も出始めている」

ウィルバーンは、政府機関閉鎖がアメリカ経済に与える影響と、閉鎖された運輸保安局(TSA)の職員をしている兄のことが気がかりだと語った。

トランプと米議会の対立で政府予算が成立しないため、2018年のクリスマス前から一時帰休や自宅待機を余儀なくされている政府職員は全米で約80万人。TSAおよび税関・国境警備局(CBP)の職員もこの中に含まれている。

ウィルバーンと同じくミシガン州在住で、トランプに投票したという38歳のエリカ・マックイーンも、トランプによる政府機関閉鎖への懸念を語った。「国境の壁の問題は、手に負えなくなりつつある。こんなのはバカげている。もう『壁』について目にするのも話を聞くのもうんざりだ」

岩盤支持層も心変わり

トランプに投票した有権者からのこのような声は、最近の世論調査の結果とも一致する。これらの調査によると、現在も収束の見通しが立たない政府機関閉鎖について、アメリカ国民の過半数が、トランプに責任があると回答した。他方、民主党が提示した政府機関の再開案を支持すると答えた人は63%に達した。

強固なトランプ支持層の間でも、トランプの人気は低下傾向にある。公共ラジオNPRの調査では、キリスト教福音派の保守的白人層からの支持率も、2018年12月から2019年1月までに13ポイント低下した。大学を出ていない白人男性の支持率も、同期間に6ポイント低下した。

1月22日の時点で、政府機関の一部閉鎖は31日。過去最長だった21日間をとうに超えた。トランプが57億ドルの「国境の壁」建設費用を含まない予算案への署名を拒否し続ける中、政府機関の再開にめどは立たない。

民主党議員や多くのアナリストは、壁の建設には莫大な費用がかかるだけでなく、不法移民を阻む効果もないと主張する。だがトランプは、アメリカ南部のメキシコとの国境周辺で危機が起きているという主張を変えていない。

政府機関の閉鎖による経済的損失は、当初ホワイトハウスが予測していた数字の2倍に達したとみられる。NPRによれば、大統領直属のエコノミストでさえ、政府機関閉鎖により失われる経済成長は、当初予想された「2週間で0.1%」ではなく、「1週間に0.1%」だと認めている。民間の専門家は、影響はさらに深刻だと予想している。

(翻訳:ガリレオ)


ジェイソン・レモン


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