イスラエル、ゴラン高原の入植地を「トランプ高原」と命名

<トランプとネタニヤフの蜜月は続く>

イスラエルのネタニヤフ首相は6月16日、ゴラン高原にあるユダヤ人入植地をドナルド・トランプ米大統領にあやかり「ラマト・トランプ」(ヘブライ語で『トランプ高原』の意)と命名する式典に出席した。

シリアとイスラエルが領有を争うゴラン高原に関し、トランプは3月、その主権はイスラエルにあると正式に認める方針を明らかにした。これを受けてネタニヤフは、ゴラン高原の入植地にトランプにあやかった名前を付けたわけだ。

「今日はゴラン高原の歴史における一里塚として。何世代にもわたって記憶されるだろうめでたい日だ」とネタニヤフは式典で述べた。式典にはアメリカのデービッド・フリードマン大使も出席したと地元紙は伝えている。

「ゴラン高原に新たな入植地が建設されてから長い年月が経ったが」とネタニヤフは述べた。「今日ようやく、われわれはラマト・トランプの繁栄に向けた重要な一歩を踏み出そうとしている。入植地はイスラエルの非常に偉大な友の名を誇らしく背負っていくこととなるだろう。私も偉大なわが友の名をここで語るのを非常に誇らしく思う。ドナルド・トランプ大統領だ」

トルーマン大統領以来、約70年ぶりの栄誉?

政治ニュースサイトのポリティコによれば、この入植地は30年前に建設され、かつては「ブルヒーム(ようこそ)」という名がついていた。住民は現在のところたった10人だが、ネタニヤフは入植地の急速な拡大を進めることがイスラエルの希望だと述べている。

「イスラエルの安全保障にとって、ゴラン高原の恒久主権より重要なものはほとんどない」と、フリードマンは式典で述べた。「非常に明白で議論の余地はない」

トランプはツイッターで、ネタニヤフとイスラエルに個人的な謝意を示した。いわく、「ネタニヤフ首相とイスラエルよ、偉大な栄誉をありがとう!」。このツイートは式典に関するフリードマンの投稿をリツイートする形で行われた。フリードマンの投稿によれば、イスラエルが入植地に現職の米大統領の名前を付けるのは1949年のハリー・トルーマン以来初めて。ちなみに現在のイスラエル国家が建国されたのは1948年のことだ。

3月下旬、トランプはツイッターにこんな投稿をした。「(イスラエル建国から)52年、ゴラン高原に対するイスラエルの主権をアメリカが完全に認めるべき時だ。(ゴラン高原は)イスラエルと地域の安定にとって戦略的にも安全保障的にも非常に重要だ」



この発言はアメリカ国内からも国際社会からも批判を招いた。イスラエルがゴラン高原を占領したのは67年の第3次中東戦争の時で、1973年の第4次中東戦争では奪還を目指すシリアが奇襲を行ったもののイスラエルの反撃に遭った。イスラエルは1981年に正式にゴラン高原の併合を宣言したが、国際社会からは承認されていない。

このトランプの決断を、シリアのバシャル・ジャファリ国連大使は厳しく非難した。

「ゴラン高原はわれわれのものであり、(いつか)返還されるだろう」と3月末にジャファリは述べた。「アメリカは広大な国だ。アメリカの州を1つか2つ、イスラエルにくれてやればいいものを」

トランプはこれまで一貫してネタニヤフを支援してきた。ゴラン高原の主権に関する発言にしても、ネタニヤフが選挙を有利に進められるようにタイミングを計ったとの見方が専門家からは出ている。またトランプは1917年12月、過去数十年にわたるアメリカの外交政策を覆し、エルサレムをイスラエルの首都として公式に承認。昨年にはアメリカ大使館もエルサレムに移転させている。ちなみにパレスチナ人も自分たちの首都はエルサレムだと主張している。

(翻訳:村井裕美)


ジェイソン・レモン


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