損失6800億円計上のみずほ、「一刀両断」改革の中身

損失6800億円計上のみずほ、「一刀両断」改革の中身

 みずほフィナンシャルグループ(FG)が、背水の陣で業績回復に挑む。2019年3月期に構造改革費用などで、約6800億円の損失を計上する。大規模な損失により、連結当期利益は前期比86%の減益となる。他のメガバンクに収益力で水をあけられるみずほFG。「損失処理で収益の質を安定化し、次世代型の金融にかじを切る」(坂井辰史社長)ため、一刀両断の改革に踏み切る。

 就任からまもなく1年が経過する坂井社長。これまでを振り返り「現状をつぶさに把握してきた中で、構造的な課題を解決するには一括の(損失)処理が不可欠と判断した」と強調する。

 3メガバンクの中でみずほFGは経費が高止まりし、業務粗利益に占める比率は18年3月期で約72%。三井住友FGの約61%、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の約68%に比べ、見劣りは否めない。

 損失約6800億円のうち、約5000億円はリテール部門の改革に伴うもの。同部門は超低金利や異業種の参入で、預貸金利ざやの縮小や来店客の減少に直面する。

 収益体質の改善に向け、ソフトウエアやシステムといった固定資産を減損処理するほか、閉鎖予定の店舗の減損に約400億円を計上する。

 ソフトウエアの減損には4600億円を計上するが、この大部分は7月に移行完了予定の勘定系次期システム向けとなる。従来は20年3月期から4000億円超の開発費用を償却する計画だったが、投資規模とリテール部門が将来生み出す利益が見合わなくなった。前倒しで処理することにより「重荷を一気に解消」(坂井社長)し、就任以来掲げてきた“反転攻勢”に打って出る。

 坂井社長は「低金利の中で従来と同じ形では難しい」と自省する。実際に反転攻勢するには、自前主義からの脱却が一つのアプローチとなりそうだ。

 みずほFGは18年11月にLINEとの新銀行設立を発表したほか、3月には2次元コード「QRコード」を使った独自の決済サービス「Jコインペイ」の提供を開始。サービスやソリューションの対価である非金利収益の拡大に活路を見いだす。今回の減損は「成長分野への投資余力を盤石にする」(同)ための布石でもある。

 次期中期経営計画のスタートを来期に控えるみずほFG。ステークホルダーや顧客に対して真に変革した姿を見せられるか。正念場を迎える。
(文=長塚崇寛)


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