JR北海道は経営再生なるか、カギ握る「非鉄道」戦略

JR北海道は経営再生なるか、カギ握る「非鉄道」戦略

 JR北海道は3月内に、2023年度までの中期経営計画と31年度を目標とする長期経営ビジョンを取りまとめる。18年7月に国から経営改善を求める監督命令が出された際に、支援を得るための“宿題”として課せられた。利用減少線区でバス転換も視野に交通維持の枠組みづくりを進めるのが柱だが、経営再生には収益基盤強化が喫緊の課題。鉄道・非鉄道の両面で、JR東日本の支援を活用していく。

非鉄道を加速
 JR北海道は31日で石勝線・新夕張―夕張(ともに夕張市)間を運行終了する。16年に「単独で維持困難」として発表した13線区で初の廃止路線だが、赤字額は年2億円。19年3月期の連結決算で見込む425億円の営業赤字と比べると業績への貢献はわずかだ。

 残る維持困難路線については、自治体とともに利用促進策やコスト削減策を練り、赤字幅の縮小に努める考えだ。秋には運賃改定も予定する。一方、人口が集中する札幌圏ではホテルや流通など非鉄道事業の展開を加速して収益拡大を狙う。

 その一つがエキナカ商業施設(SC)の開発だ。18年6月、非常勤取締役にJR東日本から大沢実紀JR中央ラインモール社長(当時)を迎えた。中央ラインモールは、中央線の武蔵小金井駅(東京都小金井市)ほかで駅と高架下SCを一体運営。地域密着型を打ち出し、社員が駅とSCの業務を兼務する。駅業務の合理化と高架下SC開発を成し遂げたノウハウは魅力だ。

高速バスに対抗
 鉄道事業では、訪日客の利用が拡大する新千歳空港アクセスの利便性向上に加え、鉄道の特性を生かせる都市間移動の競争力改善が欠かせない。高速道路網の整備で、運賃の安い高速バスにシェアが奪われたが、ここへ来て反転の兆しもある。

 17年からJR東のインターネット予約サービス「えきねっと」を使って、特急券・乗車券セットの割引きっぷを販売。JR東の首脳は「システム投資は大変だから、借りるというのは合理的判断だ」と話す。早期予約で区間によっては5割超の割引率も設定。空席を減らして収益を最大化する価格戦略“イールドマネジメント”の徹底に取り組んでいる。

相互送客拡大
 JR東は営業支援も拡充する。北海道への送客協力に加え、北海道発の旅行商品も4月出発分からJR東グループ、びゅうトラベルサービス(VTS)が企画・実施を担う。JR北の営業部門は「地元でしかできない(宿泊の)仕入れ機能に特化」(JR北の幹部)する。VTSは2月、列車と宿泊を自由に組み合わせる、えきねっと販売商品で対象エリアに北海道を加えた。「相互送客を拡大したい」(VTS首脳)と連携に期待を寄せる。

 2月にはJR東、東京急行電鉄の観光列車を道内で走らせる連携も発表した。「観光列車を使う取り組みは経営改革の大事なテーマだ」(JR北の島田修社長)と話すように、定住人口が減少する中、交流人口の拡大に今後の鉄道需要を頼らざるを得ない。

 路線維持の負担軽減の観点からも、観光列車運行による新たな収益に活路を見いだしたいところだ。
(文=小林広幸)


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