観光庁は訪日外国人旅行者の参加交流型サイト(SNS)投稿を、人工知能(AI)を利用して分析する調査を初めて実施した。新たな観光資源を見つけるためのヒントを探るのが狙い。言語により投稿内容に大きな違いがあるほか、SNSで高い評価を得た観光資源の中には自治体や旅行業者が意外と感じるものがいくつもあったという。足元は新型コロナウイルス感染拡大の影響で訪日外国人旅行者が大幅減の状況だが、収束後の需要回復に向けて成果の活用が期待される。

調査期間は2017年3月―19年6月の27カ月間。調査対象には訪日外国人旅行者の訪問比率が1%未満と低く、全体の宿泊客数も伸び悩む滋賀県を選んだ。調査した言語は年間で安定して書き込みが多い中国語の繁体字と、欧米豪の傾向が分かる英語とした。

訪日外国人はここ数年大きく伸びてきたが、都市部への訪問が大半だ。関西では外国人旅行者の約40%が訪れる大阪府、25%を超える京都府に対し、滋賀県への訪問率は0・6%しかない。今回のSNS調査から見えた滋賀県の課題は、エリア間の連携不足や交通アクセスの分かりづらさ、多言語対応の整備遅れなど。また英語圏の観光客と比べて、中国語の繁体字を利用する台湾からの観光客は事前に訪問先をよく調べ、ニッチで明確なテーマのある場所を好むことなどが分かった。

観光庁は各地が同様の調査を行うことで、隠れた観光資源の発掘につなげられるのではと期待している。