新型コロナウイルスの感染拡大が、自動車各社の国内生産にも影響を及ぼしている。トヨタ自動車やマツダは世界的な感染拡大に伴う需要減から減産を予定し、日産自動車などはサプライチェーン(供給網)寸断による部品調達の滞りを理由に生産調整している。一方、輸出比率が相対的に低いホンダの国内工場に影響は出ていない。

トヨタは子会社を含む国内5工場で計7ラインの稼働を一時停止する。海外市場の低迷に伴う措置で、4月3日から最長で15日まで停止する。今回の稼働停止による減産台数は計約3万6000台を見込む。

対象の5工場は高岡工場(愛知県豊田市)、堤工場(同)、田原工場(愛知県田原市)、子会社のトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)、日野自動車羽村工場(東京都羽村市)。この間、従業員には有給休暇取得を促す。一時停止後は稼働再開を予定するが、状況を見定めて判断する。

日産は中国からの部品調達が滞っているため、国内で生産調整を続けている。各拠点は一時休止や再稼働を繰り返し、通常稼働に戻っていない。輸出拠点とされる子会社の日産自動車九州の工場(福岡県苅田町)では3月に入って全2ラインの操業を一時休止。中旬には中国から調達する部品を空輸するなどしたが、物流網の混乱で追浜工場(神奈川県横須賀市)や栃木工場(栃木県上三川町)でも一時休止を迫られた。

「3月に(2月の減産分を)挽回生産するつもりだったが通常稼働すらままならない状況。さらに今後は消費が鈍化する可能性があり、生産調整はしばらく続くかもしれない」(関係者)という。

マツダは本社工場(広島県府中町・広島市南区)と防府工場(山口県防府市)で28日から4月30日まで13日間の操業を休止する。 いすゞ自動車は、藤沢工場(神奈川県藤沢市)で部品調達の状況を見ながら、2直で稼働しつつ残業を控えるよう調整している。三菱ふそうトラック・バスも、川崎工場(川崎市中原区)で部品調達が滞っているものの、稼働を止めないよう残業時間短縮などの措置で生産調整している。

一方、ホンダは部品調達問題で一時、国内で減産したが、今は通常通り稼働している。同社の輸出台数は国内生産の15%程度で、海外市場が縮小しても国内生産は影響を受けにくい構造だ。


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