角度さまざま

ソフトバンクは高速大容量や低遅延といった第5世代通信(5G)の特徴を生かし、ライブやスポーツなどを高い臨場感で楽しめるコンテンツ配信サービス「5G LAB(ラボ)」の提供を3月27日に始めた。5Gラボの中でも注目を集めそうなのが、“多視点”での映像を楽しめるアプリケーション(応用ソフト)の「FR SQUARE(スクエア)」だ。

同アプリの利用者は舞台や会場の正面・側面からなど、さまざまな角度の映像を見られる。例えば音楽ライブでは、お気に入りのメンバーだけを選んで視聴することが可能。ソフトバンクの原田賢悟サービス企画本部副本部長は「アイドルグループのファンからは『ライブ中だと気付かない表情や“推しメン”が常にセンターで見られて最高』といったコメントを頂いている。新しい映像視聴体験が評価された」と手応えを感じている。

同社は2019年8月にFRスクエアの事業化に着手した。技術上の課題としては、それぞれの角度からの映像を同期させる事が必須だった。そこで、音声を基準に複数の動画を同期させ再生。「多様なユーザーインターフェース(情報の入力・表示形式)に対応させた映像システムを構築することが可能になった」(原田氏)。

4Gでは困難

同アプリにおける5Gの必要性については「現在は第4世代通信(4G)でも使えるよう工夫しているが、ネットワーク帯域的にも多チャンネルを同時に流すのは厳しい。5Gなら受信・再生できるチャンネル数が大幅に拡大する」(同)。大容量の通信が必要なコンテンツであるため、5Gスマートフォンの需要を喚起できる可能性もありそうだ。

プロ野球でも

FRスクエアには、映像を自由に回転して視聴する「ぐるっとカメラ」機能もある。ソフトバンクは新型コロナウイルス感染症の影響を受けているプロ野球が開幕した場合、福岡ペイペイドーム(福岡市中央区)に設置した60台のカメラを使い、利用者が自由に視点を変えて楽しめる映像を提供する計画。今後も活用シーンの広がりが期待される。(斎藤弘和)