防衛省は宇宙領域の作戦を担う「宇宙作戦隊」を、18日に発足させる。人数は20人規模で航空自衛隊内の1組織として発足、電波妨害や不審人工衛星の監視、衛星の破片などスペースデブリ(宇宙ゴミ)の監視業務を行う。海外ではロシアや中国が衛星攻撃兵器などの実験を加速中で、米国も宇宙軍を1万6000人規模で発足させるなど、宇宙空間の軍拡競争が現実味を増す。米中に水をあけられている日本が差をどれだけ縮められるか。官民や米との協力体制が不可欠だ。「宇宙空間の優位性を早期に獲得する必要がある」。河野太郎防衛相は作戦隊の意義をこう強調した。

宇宙空間の戦いは日ごとに現実味を増している。米国防総省は2019年2月に、中ロ両国が米の人工衛星を破壊するレーザー兵器の開発を進めていると警告。衛星を故意に衝突させたりロボットアームで相手国の衛星を捕獲したりする“キラー衛星”の実験も確認されている。

太平洋や東シナ海の船舶航行状況、北朝鮮や中国本土の核ミサイル発射状況なども、宇宙空間から見れば早期にキャッチできる。IoT(モノのインターネット)や第5世代通信(5G)、飛行ロボット(ドローン)や無人機の制御にも宇宙衛星からの情報は不可欠だ。宇宙作戦では防衛用・非防衛用にかかわらず日本の衛星や通信をいかに守るかが問われる。

中ロの作戦能力や人員規模は日本よりはるかに進んでおり、宇宙作戦隊は当面、米宇宙軍やNASA(米航空宇宙局)の応援を受けつつ、研修や共同訓練を通じて宇宙全般の知見を習得していくことになりそうだ。