厚生労働省の中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)の小委員会が2020年度の最低賃金について、「現行水準を維持することが適当」とする答申をまとめた。新型コロナウイルス感染症により景気が悪化する中で、最低賃金引き上げより雇用の維持を重視する経営側の主張が通った。同委員会は22日、リーマン・ショック後の09年度以来11年ぶりに、最低賃金の目安を示すことを断念した。

日本商工会議所の三村明夫会頭は、「未曽有の苦境にある中小企業・小規模事業者の実態を反映した適切な結論であり評価する」とコメント。三村会頭は引き上げの凍結を主張してきた。今後は答申を踏まえ、都道府県労働局の審議会が議論した上で、最低賃金を決める。審議会においても、「中小企業・小規模事業者や地域経済の窮状をしっかりと考慮した検討が行われることを期待する」(三村会頭)とした。

一方、最低賃金引き上げをめぐっては、労働側が地域間格差の是正を求めている。地域によっては賃金が引き上げられる余地は残されている。