2020年5月、新型コロナウイルス感染症の影響で、サービス産業の活動の活発さを表す第3次産業活動指数(経済産業省)の総合指数は、4ヶ月連続の前月比低下となった。この間の大分類業種の動きを見てみると、生活娯楽関連サービスの低下幅が特に大きかったことが分かる。

また、この感染症の影響が出る直前の1月からの総合指数の低下に対する業種別の寄与度(影響度)を見ると、こちらも生活娯楽関連サービスの低下寄与が一番大きくなっている。

そこで、今回は、なぜ生活娯楽関連サービスがこれほど低下したのかについて、少し詳しく見ていきたい。

サービス産業の1割強占める41業種

生活娯楽関連サービスには、名前の通り、生活や娯楽に関連する実にさまざまなサービスが含まれている。

生活関連としては、宿泊業、飲食店,飲食サービス業、洗濯・理容・美容・浴場業、旅行業、冠婚葬祭業、写真業。さらに娯楽関連として、映画館、劇場・興行団(プロスポーツ興行含む)、競輪や競馬などの競走場、ゴルフ場などのスポーツ施設提供業、遊園地・テーマパーク、パチンコがある。そのほかにも、学習支援業、ペットクリニック、自動車整備業(家庭用車両)など、公表末端系列で41業種ある。

第3次産業総合のウエイトのうち、生活娯楽関連産業が占めるのは約11%であることから、サービス産業の約1割強を占める産業といえる。(詳しい内訳系列や系列毎のウエイトについては「業種分類体系とウエイト一覧」より確認できる。)

低下幅拡大の業種も

生活娯楽関連サービスの公表末端系列について、2020年1月から5月までの季節調整済指数の最大値と最小値のポイント差を見たところ、下の表のようになった。プロスポーツが1、2位となり、観光関連業種や、フィットネスクラブ、映画館、結婚式場業等が10位以内に入っている。

なお、プロ野球、サッカー、ゴルフのように、1月に試合がないため下表には入らないものの、感染症の影響で有観客試合を開催できず、指数値0が続いているプロスポーツもある。

感染症の影響が大きかった3月から5月の前年同月比の低下率を、第3次産業活動指数の全公表末端業種177業種でみると、生活娯楽関連サービス以外では、大多数がマイナス10%からプラス10%の間にあり、その後4月、5月とより低下幅の大きい業種が増えてきたことがわかる。

生活娯楽関連サービスも、5月の方がより低下率が大きい業種が増えているのは同様だ。しかし、大きな違いは3月の時点ですでにマイナス90%以上低下している業種が多くあり、4月にその業種数が倍増、5月はさらに増えている。

生活娯楽関連サービスで激減した業種についてみてみると、まず3月は、イベント自粛要請や営業自粛により、プロスポーツ各種や遊園地・テーマパークが前年同月比マイナス90%以上の低下となった。

4月以降は緊急事態宣言も発出され、不要不急の外出自粛要請や休業要請、営業時間短縮要請などが出されたことにより、5月には上の業種に加え、旅行業各種、映画館、結婚式場業、フィットネスクラブ、旅館、「パブレストラン,居酒屋」が前年同月比マイナス90%以上の低下率となった。ここまで大きな低下率の業種は、生活娯楽関連サービス以外にはほとんどみられない(国際・国内航空旅客運送業及び映画制作業のみ)。

6月以降の復調期待されるも

生活娯楽関連サービスの3月以降の1月比伸び率に対する寄与度(影響度)を見ると、1〜3位はいずれも「食堂,レストラン,専門店」、ホテル、「パブレストラン,居酒屋」となった。ホテル以外は、前述の業種としての低下率が大きかった業種の10位までには至らなかったが、付加価値額に基づくウエイトが大きいことから、影響度としては上位となった。

4位以下をみても、飲食関連や観光関連の業種で影響が大きく、また上位業種の内訳はそれほど変わっていない。3月以降、飲食や観光に関連した業種を中心に感染症の影響が拡大・継続したことが、生活娯楽関連サービスの大幅低下につながったようだ。

5月は緊急事態宣言も段階的に解除され、生活娯楽関連サービスの中にも、飲食関連を始め、季節調整済前月比で上昇に転じた業種が出てきている。6月以降、さらなる復調が期待されるものの、ここ最近感染者数は再び増加してきており、その影響にも注意が必要だ。

このように、第3次産業活動指数の内訳業種の動向をみることで、今回の感染症の影響が業種ごとにどの程度あったかや、そのサービス産業全体の中での影響度合いも知ることができる。ぜひ、活用頂きたい。

【関連情報】
第3次産業活動指数
業種分類体系とウエイト一覧