携帯電話3社の2020年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、全社が営業増益となった。携帯通信料金引き下げや端末販売の苦戦で通信事業が伸び悩んだものの、販促費などのコストの減少が寄与。電子商取引(EC)や金融といった非通信分野も収益に貢献した。21年3月期連結業績予想も全社が営業増益を見込むが、新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中、第5世代通信(5G)の普及を進められるかが焦点になる。

20年4―6月期は3社いずれも端末販売が低迷した。19年10月施行の改正電気通信事業法で端末値引きが制限されたことや、新型コロナの影響で販売店への来客が減ったことが要因。NTTドコモは販売関連収入が前年同期比46・3%減の900億円となった。一方で代理店手数料をはじめとする販促費が大きく減少し、営業増益につながった。

非通信分野は3社とも堅調だった。KDDIはエネルギーや金融といった「ライフデザイン領域」の営業利益が同31・6%増の500億円に伸長。ソフトバンクはグループ企業のヤフーなどがECの取扱高を拡大した。

21年3月期は各社が5Gの普及を加速できるかが問われる。KDDIは「第4世代通信(4G)から5Gへの移行が予定通り進んでおらず、少々焦りを感じている」(高橋誠社長)。ドコモの吉沢和弘社長は、8月1日時点で5G契約数が24万となったことについて「計画を上回っている」とする。20年度下期に5Gスマートフォンの普及モデルを投入する方針だが、新型コロナの感染状況によっては販売の出足が鈍る可能性も考えられる。

3社は収益源を多角化する意味でも、非通信領域のさらなる成長が求められそうだ。