三菱自動車の加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は5日、日刊工業新聞の取材に応じ、今後は研究開発を効率化することで、売上高に占める研究開発費比率を5%以内に抑える考えを示した。ディーゼル車分野の開発は続ける一方、欧州の研究開発拠点を縮小する。次世代車の研究開発費が増大傾向にある自動車業界において、日産自動車と仏ルノーのアライアンス(企業連合)も活用して効率的な開発を進める。同社は4月から始まった3カ年の中期経営計画で構造改革に着手している。

同社の2021年3月期の研究開発費は前年比13%減の1140億円を計画。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により売上高が急減しているため、研究開発費比率は7・7%と上振れするものの、中計の最終年度となる23年3月期は4・5%程度の990億円に着地する予定。

今後の開発戦略では「『トライトン』で培ってきたニーズがある」(加藤CEO)とし、ディーゼルエンジンは新規を含めて開発を継続する方針を明らかにした。三菱自の環境技術の柱となるプラグインハイブリッド車(PHV)などと併せて「やるべき領域はやる」と加藤CEOは強調する。

その一方、ドイツにある研究開発拠点は縮小することを決めた。赤字に陥っている欧州事業では、すでに新規車種の投入凍結の決定をしており、開発費を浮かせる。

「自動運転などについては日産の技術を活用する」(同)とし、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)などの次世代車分野についてはアライアンスの枠組みを使う。「やること、やらないことのメリハリをつけて適正な開発費のレベルに持って行く」(同)。