【SDGsファンド】

いちよし証券は、SDGs(国連の持続可能な開発目標)関連事業を展開する中小型株式のうち、成長性の高い株式に投資・運用する投資信託「いちよしSDGs中小型株ファンド」を販売中だ。またSDGs達成に向けて本業での取り組みにとどまらず、民間非営利団体(NPO)や非政府組織(NGO)への支援を通じて海外でも環境保全や社会問題の解決に取り組んでいる。

同社は2006年に経営理念や経営目標、行動指針を明示した「いちよしのクレド(信条)」を制定。早い段階からESG(環境・社会・企業統治)経営に着手してきた。

【中小リサーチ】

現在販売する「いちよしSDGs中小型株ファンド」は、同社グループでリサーチ部門のいちよし経済研究所が調査する約600社の中からSDGs達成に貢献できる技術やサービスを持つ約150社に絞って運用している。投資信託に組み入れられている株式は約40―50銘柄で、成長性が高く、株価水準が割安だと判断される銘柄を選択している。

購入者の9割を個人が占めるが、医療法人や学校法人による購入も目立っているという。力武善久執行役員は「投資家と資金を必要とする国や企業を結びつけて経済を活性化させることが大切だ」と話す。中小型株式のリサーチを強みとするいちよし経済研究所では、16人のアナリストが中小型成長企業を専門に担当する。大企業とは異なり、情報公開の少ない中小企業のリサーチに特化しており、地銀向けセミナーなども手がける。

【海外でも支援】

NPOやNGOへの資金提供を通じて、海外における国際的な問題解決にも取り組む。アジアの子どもに学習の場を提供する活動では1996年以降、フィリピンやミャンマー、カンボジアなど8カ国に12校の小学校校舎を建設した。3月に建設したベトナム・ハザン省の校舎には、男女別のトイレや手洗い場を設置するなど衛生面にも配慮。

またインドネシアのジャワ島では、マングローブの植林や保全活動を支援する。2009年以降の累計植林本数は約37万5000本にのぼる。地球温暖化で深刻な海面上昇の影響を受けている地域については15年以降、沿岸部の被害の実態調査も進めている。11年には東日本大震災を受けて、東日本復興応援株式ファンドを立ち上げた。被災地域の復興などを期待できる企業の株式に投資運用し16年に償還した。

インドネシア・ジャワ島でのマングローブの植林保全活動を支援している(FoE Japan提供)

SDGs達成に向けて、証券業における取り組みとともに、社会課題の解決にも積極的に関わっている。