東京工業大学や東北大学などの研究グループは、高いエネルギー密度や高速充放電などの特性を持つ次世代電池「全固体電池」の電池容量を倍増できることを明らかにした。高出力型全固体電池の電極材料として期待されている「リチウムニッケルマンガン複合酸化物」を使用。電極と固体電解質の境界面を不純物が含まないよう作ると、全固体電池の容量を倍増できることが分かった。電気自動車(EV)の航続距離の増加などが期待される。

研究グループは、良好な界面が得られる薄膜作製技術を利用し、同酸化物の薄膜を形成。さらにリン酸リチウムの固体電解質を成膜し、負極としてリチウムを蒸着させた。リチウム2個を含む状態とリチウムを含まない状態の同酸化物それぞれが、放電状態と充電状態として50回の安定した充放電ができた。さらに従来の同酸化物を利用した電池容量の2倍になることが分かった。従来はリチウム1個の同酸化物を放電状態として使っていた。

さらに放射光X線を利用した実験で、電極と固体電解質が形成する界面付近のリチウムの分布などを調べた。リチウムイオンが固体電解質側から同酸化物側に移動し、リチウム2個を含む同酸化物に変化していることを示した。

産業技術総合研究所や日本工業大学との共同研究。成果は26日、米化学会誌ACSアプライド・マテリアルズ・アンド・インターフェーシーズ電子版に掲載された。


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