全販売のわずか15%しかない日本市場を、スバルが大切にする理由

全販売のわずか15%しかない日本市場を、スバルが大切にする理由

 「日本でもこの車は売れているのか」。ある米国スバルディーラー幹部は富士重工業の国内生産拠点がある群馬県太田市を訪れた際、スバル車の販売店に必ず立ち寄り、決まってこう質問する。店員が「売れている」と応えると満足げな表情を浮かべて帰って行く―。

 富士重の世界販売は主戦場の米国が全体の6割を占め、日本は15%にとどまる。

 ただ「米国のスバルユーザーやディーラーは母国市場の日本でスバル車がどれだけ評価されているかものすごくチェックしている」。国内営業を統括する専務執行役員、細谷和男は日本市場の重要性を強調する。

 例えば運転支援システム「アイサイト」。米国が訴訟大国ということもあり現地ディーラーは当初、顧客へのアイサイトの提案に積極的ではなかったという。

 万が一アイサイトが正常に機能せず事故が起きた場合、訴訟の対象になるからだ。だが日本でのアイサイト搭載車種の売れ行きや性能の高さを見て“売れる”と確信。本格提案に踏み切るディーラーが一気に増えた。

 主戦場は米国だが「スバルのブランド発信基地が日本であることに変わりない」と細谷は断言する。

 2016年10月に発売した新型「インプレッサ」。商品開発会議では車幅を巡って開発部門と国内営業部門との間で激論が飛び交った。スバル車は米国に照準を定めた車作りを進め旗艦車種「レガシィ」などは従来よりサイズが大きくなった。

 ただインプレッサは国内最量販車種。米国を重視しつつ日本の使用環境にも適したサイズの商品に仕上げることが重要だった。ミリメートル単位の攻防だった。

 スバル車の16年国内シェア(登録車)は約4%。「全需の拡大、縮小は規模が小さい我々にとってあまり関係ない。個性のある魅力的な商品を出し続け、伝えていけるかが勝負所だ」(細谷)。

 日本の9割の人がスバル車がどんな車かよく知らない。国内営業はこう捉え、スバル車のよさをわかりやすく伝える取り組みに全力を注ぐ。
(敬称略)



【ファシリテーターのコメント】
この1,2年、日本で従来の「スバリスト」以外のファン層を拡大しよう非常に努力しているようにみえる。母国市場で勢いがないと、日本にいる開発陣やそのほかの人材も力が入らないだろう。
明 豊

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