コンビニ・スーパーが街の安全を守る重要な存在に?

コンビニ・スーパーが街の安全を守る重要な存在に?

 豪雨などの災害が多発しているなか、災害への備えが急務となっている。コンビニエンスストアをはじめ深夜営業をしている小売店は犯罪に巻き込まれるリスクを抱えている上、ストーカー被害などに対する駆け込み寺の役割も担っている。小売りの企業や団体は関連機関と連携して訓練を実施、犯罪や災害への対策を練っている。

万が一に備える
 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)は7月中旬、警視庁と組み「男性が連れ去られるのを目撃した通行人がコンビニに駆け込んで来る」想定で、訓練をした。協力したローソン大谷田店(東京都足立区)の中谷健太郎店長が110番通報し、駆けつけた警官に状況を説明したり、防犯カメラの映像を確認したりした。

中谷店長は「日頃から『万が一』に備えることが大切」と語る。JFAの調査では、2016年にコンビニを狙った強盗事件は未遂を含め、前年比33件増の351件発生した。また、調査に協力したコンビニ5万4504店のうち、5175店が女性の駆け込み、2724店が子供の駆け込みに対応したという。

 イオンは年2回、グループ総合訓練をしている。7月上旬には、南海トラフ地震が発生し、震度7の被害地域が広範に及ぶ想定で実施。名古屋市熱田区のイオンモールには中部電力が低圧発電機を置くなど、他社も参加した。

 千葉市美浜区の本社に置いた「対策本部」はテレビ会議で各地の店舗などをつなぎ、「発災72時間後」の訓練では、「『〇〇店の天井が落下した』との情報がツイッターにある」「釣り銭不足が起きる可能性がある。小銭を供給できるか」などと、情報を交換した。

臨機応変に判断
 ただ、参加したイオングループ各社のトップらの感想は辛口だった。「訓練の慣れがあるのではないか。72時間後なら店舗では品切れが起きており、侃々諤々(かんかんがくがく)やっている場合ではない」(岡崎双一イオンリテール社長)「情報を集めるより、方針を出す段階」(吉田昭夫イオンモール社長)という声も出た。イオンディライトの中山一平社長は「広域が被災した場合、優先順位をつけざるを得ない。それが本部の役割」と指摘する。

 シナリオがある訓練と異なり、災害や犯罪が起きた際は臨機応変な判断を迫られる。イオンの津末浩治グループ総務部長は「訓練や災害の際に気付いた点を検証し、次の訓練に反映する。PDCAサイクルを回すことが大切」と説明する。

(文=江上佑美子)

【ファシリテーターのコメント】
 常に明かりを付けて営業しているコンビニの存在は心強いです。ただJFAの訓練を見ながら「実際に通行人が駆け込んできたり、強盗が押し入ってきたりした場合、冷静に対処するのは大変だ」とも感じました。
 2016年4月の熊本地震後、経済産業省は大手コンビニに営業の早期再開を要請し、多くの店舗が応えました。災害時も販売を続けるコンビニやスーパーの存在はとてもありがたいですが、「社会的責任」という言葉で説明するのには、限界がある気もします。
江上 佑美子

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