ゲノム健診で生活習慣病リスク判定、国内初事業の仕組み

ゲノム健診で生活習慣病リスク判定、国内初事業の仕組み

 慶応義塾大学医学部の高瀬敦特任講師は、全遺伝情報(ゲノム)解析により糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクを網羅的に判定する「ゲノム健診サービス」を始める。唾液で検査が可能で、解析したゲノム情報と生活習慣や健康診断の結果などから、将来発症しやすい疾患は何か、また何が原因なのかを医師が判定する。事業として実施するのは国内初という。疾患関連遺伝子の情報を保有するIT企業と連携し、先端予防メディカルセンター(東京都新宿区)などで4月から開始する。

 ゲノム健診サービスでは、生活習慣病などに関連する約300の遺伝子を網羅的に解析して、将来の発症リスクを判定する。具体的には、遺伝子の中に生じた構成塩基が置き換わる「一塩基多型」(SNP)の頻度やパターンを調べる。得られたゲノム情報と、飲酒や喫煙といった個人の生活習慣をもとに医師が医学的な解釈を行い、遺伝的に発症リスクが高い疾患や、何が原因で発症する可能性があるかなどを判定する。判定結果から、疾患の発症を予防する生活指導を行う。

 例えば、検査で肥満になりやすい遺伝子の特徴を持っていることが分かった場合、肥満の主なリスクは遺伝ということになる。一方で、遺伝的な肥満リスクが少ない場合、肥満の原因は生活習慣にあることが推測される。こうした異なるリスクの判断を医師が行い、それぞれの原因に合わせて個人に最適な生活習慣の改善を促す。

 ゲノムを使った健康診断は臨床研究では行われているが、特定の疾患に限定されている。また遺伝子の情報を開示するだけで、医師による詳細な発症因子の判定までは行われていなかった。

 高瀬特任講師は「ウエアラブル端末を活用し、取得した生活習慣データとSNPの情報を組み合わせ、個人に最適な生活改善を提案するサービスなども検討している」という。


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