リコーリースは4月から人事制度に絶対評価を導入する。従来の相対評価を改め、難しい目標を達成した社員は全員が高く評価されるようにする。収益源の多様化が求められている点を踏まえて人材育成を促進し、重点事業の深掘りや新規事業の加速につなげる。

これまでの相対評価では、社員全員が目標を高いレベルで達成した場合でも、あらかじめ定められた割合に応じて評価のランク分けがなされる。絶対評価ならば全員が最高ランクの評価になる。新評価制度では被評価者が立てた目標の難易度を評価者が判断するため、評価者によって難易度設定がバラつく事態がなくなるような枠組みを追求する。評価者研修を行うほか、初めは人事担当が目標設定を支援する。

瀬川大介社長は自社の最大の課題を「人の部分。主体性のある人間の集団にすること」とした。従来もこれに向けた取り組みは進めてきたが、新評価制度の開始で社員のさらなる意欲向上を目指す。

リコーリースは4月下旬に、みずほリースから約20%の出資を受ける予定。これまでリコーリースはリコーの連結子会社だったが、リコーとみずほリースそれぞれの持ち分法適用会社に変わる。

また、リコーリースは4月1日付で中村徳晴取締役常務執行役員が社長に昇格し、瀬川社長は会長に就任する。新経営陣にはリコーやみずほリースとの相乗効果向上も求められる。

インタビュー/社長・瀬川大介氏 3社提携、新領域拡大

瀬川社長に環境認識や将来展望などを聞いた。(聞き手・斎藤弘和)

―新型コロナウイルスの感染が拡大しています。リース業界や貴社事業への影響は。
「これからの貸し倒れの起こり方は注視しなければならない。国内はインバウンド(訪日外国人)がなくなることで飲食やサービス業の問題が最初に表れるが、メーカーも苦労している。当然、永久に(景気が)底に張り付くわけではない。どこで戻るかの見極め(がカギ)と思う」

社長・瀬川大介氏

―次期社長の中村氏に期待したい点は。
「経営理念の実践。サステナブル(持続的)な社会にしていくための貢献を事業ポートフォリオとしてやり続け、それを極めないといけない。また、社員一人一人の意識の積み上がりで会社は経営される。何かをやらせるというより、皆の気持ちを前向きに循環させることで会社の成長につなげてほしい」

―リコー、みずほリースとの3社間で業務提携契約が結ばれました。
「リコーグループとの強固な関係を継続しつつ、事業成長を期待できるパートナーを得られた。みずほリースと当社は顧客層や事業領域の重複が少ない。これまで当社が扱っていなかった新領域への事業機会の拡大も可能になるのではないか。私自身の役割としては当社の独立性を維持し、少数株主保護を前提とした経営の遂行を取締役会を通じて行うことが一番大事だ」