新型コロナウイルスの影響で、テレワークの導入や時差出勤をはじめ、働き方に変化が起きている。コロナをきっかけに自身の働き方を見直して、転職や住居環境の変更を検討した人もいるのではないだろうか。大東建託は新型コロナウイルスによる住まいへの意識変化やテレワーク実施状況などについて、学情(東京都千代田区、中井社長)は「コロナ禍での、転職活動への影響」に関する調査を行った。それぞれの結果からは、通勤時間やテレワークでの仕事、若者の転職に対する考え方が見えた。

大東建託は2021年9月28-29日に新型コロナによる住まいへの意識変化やテレワーク実施状況などについて、全国2120人を対象にインターネットで調査した。それによると、「20年4月以降テレワークを実施している」と回答した人は22.4%だった。一方、テレワーク実施者のうち「4月以降にテレワークをしていたが止めた」は26.5%で、前回調査した21年3月より6.1ポイントの大幅低下となった。

通勤に関して「ストレスである」との回答は全体の48.7%、「通勤時間は短いほうが良い」は81.3%と高水準だった。テレワークにより通勤回数が減った人でも、コロナをきっかけに通勤時間は短いほうがいいと思うようになった人は全体の8割を超えた。

働き方に関しては、「新しい人との出会いがなくなった」は66.6%と高い水準で、「人と対面で会うことが大切だと再認識した」は全体で39.4%だった。一方、テレワーク実施者で「人と対面で会うことが大切だと再認識した」人は50.9%と半数以上になった。しかし、「仕事の効率が上がった」は31.7%、「スキルや能力が上がった」は36.9%に過ぎなかった。テレワーク実施者の約6-7割の人が仕事の効率が落ち、スキルや能力は上がっていないという結果になった。

転職・就職活動に「変化あり」48.5%

一方、学情の調査は同社が運営する 転職サイト「Re就活」の来訪者に対して、21年9月1- 15日にアンケートを行い、582人から回答を得た。その結果、「新型コロナウイルスにより、転職・就職活動に変化がありましたか」という質問に対して全体の48.5%が「変化がある」と回答。変化した点では、職歴あり(ヤングキャリア)、職歴あり(第二新卒)、職歴なし(既卒)で「テレワークの有無など働き方を意識するようになった」がいずれも40%を超え最多となった。

次いで回答を集めた項目は、社会人経験3年以上の20代(ヤングキャリア)は「スキルの習得を重視するようになった」、社会人経験3年未満の20代(第二新卒)は「転職時期を遅らせた」だった。こうした結果について、学情は「社会人経験を積んだ20代後半は、終身雇用が当たり前でなくなりつつあることを見据えて、自身の市場価値を高めるためにステップアップのための転職をする人が多いと推察される」と説明した。その一方で「社会人経験が3年未満の20代前半は、有利に転職活動を進めるために転職時期を見極める人が多く、今後企業の中途採用ニーズが活発になることで転職活動に踏み切る人が増加すると考えられる」と指摘した。

コロナ禍では、将来の成長や可能性に期待した第二新卒採用を一時縮小する企業もあった。現在ではワクチン接種の普及や新規感染者の減少を受け、企業が中途採用を加速させる動きが出てきている。企業が採用強化に踏み切ることで、コロナ禍で「様子を見ていた」第二新卒が積極的に転職活動をする可能性があると考えられる。社会人経験のない20代(既卒)では、新型コロナウイルスによる影響として2番目に回答を集めた項目が「企業の安定性を重視するようになった」だった。

二つのアンケート結果を見ると、転職する際には働き方としてテレワークの有無を意識しているが、実際に働き始めると出社している方が業務の効率は高いと感じる人が多いようだ。自宅でのテレワーク環境を整える必要があったり、対面で人と会うことでコミュニケーションを取りやすくなりスムーズな仕事につながると考えると、テレワークによって業務効率が下がってしまうことにも頷ける。緊急事態宣言の解除や感染者数の減少に伴い、テレワークを終了している企業も見られる。感染症の流行に限らず、業務のしやすい環境での働き方が求められる。