日本は難聴者数1430万人、補聴器の利用者はわずか200万人

日本は難聴者数1430万人、補聴器の利用者はわずか200万人

 補聴器メーカー各社が日本市場の開拓に力を入れている。シバントス(神奈川県大和市)は、電池交換が不要の補聴器に中価格帯モデルを追加。オーティコン補聴器(川崎市幸区)は、全方向の音を聞き取りやすくした新モデルを提案する。リオンは新製品に加え、販売店の拡充に取り組む。新製品やサポート体制を充実し、市場拡大につなげる。

 シバントスは充電タイプの補聴器「セリオン」に、価格を抑えた新モデルを追加した。片耳で本体価格(非課税)が20万円からと、従来の上位機種と比べ4―6割安価となり、購入しやすくした。

 オーティコン補聴器は昨年発売した新製品の販売に力を入れる。新チップを搭載し、会話など重要な音をそのままにして、ノイズ音などを抑制することで騒がしい場所でも全方向の音を聞き取りやすくしたのが特徴だ。

 販売体制を強化するのはリオン。品ぞろえに加えて、全国約370店ある専門店を年10店ペースで新規出店を推進する。強みの販売、アフターサービスを強化し、新規顧客の取り込みやリピーターの創出につなげていく。

インタビュー シバントス・芳賀圭子社長
 日本市場の動向や今後の取り組みについて、シバントスの芳賀圭子社長に聞いた。

 ―日本市場の現状をどう見ていますか。
 「補聴器に対して、煩わしさや装用しても元の聞こえ方に戻らないといった否定的なイメージがある。日本は難聴者数が約1430万人と世界でも多い半面、補聴器の利用者数は約200万人と世界の主要国の中でも低い。困っている人は多く、ギャップを埋めるために超えなければいけない壁がある」

 ―利用促進につなげるための手だては。
 「顧客満足度を高めるために、当社は電池交換のない充電型補聴器などに力を入れる。充電は非接触型で電池交換の煩わしさもない。また、1円玉と同じくらいに小型化して装用を目立たなくし、デザイン性も高めている」

 ―日本での市場シェアの目標は。
 「市場シェアは20%前後だが、明確には言えない。シェアは目標の一つではあるが、まずは顧客満足度を上げ、市場を拡大することが不可欠。よりよい聞こえを通じ、難聴に悩む人の生活の質(QOL)向上を目指す」

【ファシリテーターのコメント】
日本の補聴器市場は頭打ちの状況が続く。日本補聴器工業会の調べによると、2016年の出荷台数は前年比0・1%減の56万1557台。欧米に比べて低い装用率も課題で、需要創出に向け、各社が市場に耳を傾けている。
村上 毅

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