星野リゾート、旅館ブランド「界」を主要温泉地に

星野リゾート、旅館ブランド「界」を主要温泉地に

 星野リゾートが温泉旅館ブランド「界」を強化している。界は最上級ブランド「星のや」に次ぐ価格帯の温泉旅館ブランド。現在、国内に13施設を運営しており、4月には静岡県伊東市に14施設目となる「界 アンジン」を開業する。2月には“女子旅”をコンセプトに、「界 箱根」の客室の一部を刷新した。同社は今後、数年で30施設に広げる計画。国内の主要な温泉地には、すべて界を展開する方針だ。

 界の最大の特徴は「ご当地楽」と呼ばれる、その地域の文化的な特徴を生かしたおもてなし。ご当地楽は設備などのハード面から、食事や体験イベントといったアクティビティなどのソフト面にいたるまで多岐にわたり、施設ごとに異なる。

 内容は開業前からスタッフが意見を出し合い、作り上げる。コンテンツを含め、施設として完成するには2―3年かかるという。

 2月に一部客室の刷新を完了した界 箱根は、箱根の伝統工芸である「寄せ木細工」が施設全体のコンセプトだ。ロビーや客室など施設の随所に寄せ木細工を施し、オリジナルの寄せ木細工の飾り物も置いている。

 夕食後にはロビーで、寄せ木の歴史や作業工程などを紹介する紙芝居を開催。昔ながらの紙芝居屋をイメージし、細部まで凝って作り込んでいる。このほか、寄せ木のコースター作りなど、有料のアクティビティも用意している。

 界 箱根の池上真敬総支配人は寄せ木細工を取り入れるにあたって、「“ダサく”ならないように配慮している」と話す。若い世代も受け入れられるように、寄せ木細工は若手の職人に製作を依頼。野暮ったくないモダンで洗練されたデザインに重点を置き、インテリアなどに取り入れている。

 界の多くは、経営難の温泉旅館を再生したもので、界 箱根も11年までは「桜庵」という温泉旅館だった。客室の刷新について池上総支配人は「箱根には女性向けの客室がなく、差別化するのが目的」と話す。

 界のコンセプトや、界 箱根独自の取り組みも奏功し、開業からの平均稼働率は約80%と、安定的な数字を維持している。

(文=高屋優理)

【ファシリテーターのコメント】
星野リゾートの旅館再生の手法が認められ、19年には山口県長門市の長門湯本温泉との連携で、界を開業する。まちづくりにまで踏み込んで参画し、長門湯本温泉全体をプロデュースする。池上総支配人は「界ブランドの役割は、旅館の市場活性化」と話す。今後は地方自治体や投資家などに求められて、進出するケースも増えそうだ。
高屋 優理

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