メルシャンが国産ワインを一新したワケ

 メルシャンは国産ワインの主力商品「メルシャンビストロ」シリーズを、3年ぶりに一新して発売した。赤ワインや白ワインなど種類ごとに食事との相性を考慮、赤に加え新商品「濃い赤」もそろえた。同社が国産主力を刷新する背景には、低価格チリワインの攻勢がある。低関税効果と味の良さを武器に、売り上げを伸ばすチリワイン。その影響で、国産ワインの販売量が減っている。チリワインとの差別化をどうするかがポイントになる。

 ビストロシリーズの店頭販売価格は1本400円強。安さと味の良さを武器に食卓の定番商品だったが、2015年あたりからチリワインの攻勢を受けて状況が悪化。販売数量は14年の約130万ケース(1ケースは720ミリリットルの12本換算)から、16年は同120万ケースに下がった。

 チリワインには店頭価格500―600円と、ビストロと競合する商品も多い。アサヒビール「アルパカ」、サントリーワインインターナショナル「サンタバイサンタ」、大手スーパーやコンビニエンスストアでもプライベートブランド(PB)の同価格帯チリワインがあふれ、存在感が薄くなりがちだった。

 今回、“食事と一緒に味わうワイン”の商品コンセプトのもと、肉料理や魚料理など食事との相性をさらに追求した。例えば魚料理を食べた後でワインを飲むと、魚特有の生臭さを感じることがある。魚に含まれる脂質とワインの鉄分が反応するためだ。リニューアルではワイン原料のぶどう、醸造工程で使うタンクやパイプ、土壌に至るまで鉄分を極力排除した。

 赤ワイン、甘口赤ワイン、白ワイン、ロゼワインと種類ごとに相性の良い料理を設定して香り成分を強化、ドミグラソースのハンバーグなど濃い味の肉料理も想定して「濃い赤」も新たに発売した。

 体に良いイメージで売り上げを伸ばす高ポリフェノールワインも、単にポリフェノール成分を増やすと、苦味成分のタンニンも増し、風味が低下する。このため、タンニンを出さない熱抽出技術がものをいう。

【ファシリテーターのコメント】
チリワイン以外に、今後は豪州ワインやニュージーランドワイン、スペインワインなども関税引き下げ効果で攻勢の強まることが予想される。国産ワインは技術の細やかさで対抗する。
(日刊工業新聞第二産業部・嶋田歩)
日刊工業新聞 記者

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