旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして、70代の男性が国に賠償を求めている裁判で、本人への尋問が行われ、男性は「国は心から謝罪し、私たちに向き合ってほしい」と訴えました。

北三郎さんの名前で被害を訴えている東京都内の76歳の男性は、昭和32年に旧優生保護法によって不妊手術を強制されたとして、国に対して賠償を求めています。

東京地方裁判所で開かれた16日の裁判では、北さん本人や姉への尋問が行われました。

北さんは、非行を理由に福祉施設に入所していた14歳のときに不妊手術を受けさせられた際の状況について「施設の先生や病院の医師から何の説明もないまま手術を受けさせられた」と述べました。

また、結婚後、不妊手術を受けさせられたことを妻にも言えず、妻が亡くなる数日前にようやく打ち明けたと証言したうえで「手術を受けてから62年間、苦しみ、子どもがほしかった妻にも苦しみを味わわせてしまった。国は心から謝罪し私たちに向き合ってほしい」と訴えました。

全国各地で起こされた裁判では去年5月、仙台地方裁判所が判決で憲法違反の判断を示す一方で、賠償を求めることができる期間をすでに過ぎているとして訴えを退けています。

東京地裁での審理も終盤で、裁判所の判断が注目されます。