米軍ヘリ事故受け 同型機の当面飛行停止で一致

小野寺防衛大臣は、沖縄本島北部の東村でアメリカ軍の大型ヘリコプターが緊急着陸し炎上した事故を受けて、在日アメリカ軍のシュローティ副司令官と会談し、今回のヘリコプターと同型の機体については、安全が確認されるまで、当面、飛行停止にすることで一致しました。

この中で、小野寺防衛大臣は「オスプレイの事故などが相次いでいる中で、周辺住民をはじめ、沖縄県民に大きな不安を与えたことは誠に遺憾だ。安倍総理大臣からも指示されており、事故原因の早急な究明と万全な再発防止策、また安全管理のさらなる徹底と事故に関する詳細な情報提供を要請する」と述べました。

そのうえで、小野寺大臣が、安全確認が完全に行われるまで同型機の飛行を停止するよう求めたのに対し、在日アメリカ軍のシュローティ副司令官は「これから初期の事故調査を行って事故原因と安全を確認するため、その間、運用を停止する」と応じ、今回のヘリコプターと同型の機体については、安全が確認されるまで、当面、飛行停止にすることで一致しました。

会談のあと、小野寺大臣は記者団に対し、「これから調査が行われるので、いつまで飛行停止とするかはわからない。アメリカ側の調査の内容については、自衛隊の専門家を派遣して情報を共有しながら内容を把握していきたい」と述べました。
【牧草地所有者「現実に目を向けてもらいたい」】アメリカ軍の大型ヘリコプターが炎上した沖縄県東村高江地区の現場の牧草地を所有する畜産業の西銘晃さんは、12日午前6時ごろ、機体の残骸から60メートルの距離まで近づき、改めて被害の状況を確認したということです。

西銘さんによりますと、牧草はこの時期が出荷のピークですが、事故のあと立ち入りが規制されているため、作業ができない状況が続けば大きな損失が出かねないと、事故への怒りとともに今後の生活への不安を募らせています。

西銘さんは「20年ほど前にも牧草地にアメリカ軍のヘリコプターが不時着したことがあったので、『またか』という思いです。日本政府、そしてアメリカ軍には私たち県民が直面している現実にもう少し目を向けてもらいたい」と話していました。
【地区の住民「やっぱりかという感じ」】東村高江地区で家族とともにハーブ園を営む渡久地優さん(30)は、11日午後6時前、黒い煙が上がっているのを目撃し慌てて現場に駆けつけました。
そのときの様子について、「1時間ほど、ずっと機体から炎が上がっている状態でした。ばーっと火が上がり怖いと思いました」と話していました。

渡久地さんは去年12月、北部訓練場のおよそ半分の敷地が日本側に返還された条件として、集落を取り囲むように新たなヘリコプターの発着場がつくられたことで、騒音がひどくなっていると感じています。

渡久地さんは「飛行回数も騒音も明らかにひどくなっています。最近、山のすれすれのとても低い高度で飛んでいて、怖いと思っていたときに事故が起きたので、やっぱりかという感じです。事故があった場所は農園の工場のすぐ近くで本当に怖いです」と話していました。

渡久地さんは3歳の娘がいるということで、「事故が起きても変わらない状況に憤りを感じます。子どもが外で遊ぶこともあり、学校もあるので不安です」と話し、12日もオスプレイなどが集落の周辺を飛んでいる現状に不安を募らせていました。
【現場での米軍の様子】事故の現場となった沖縄県東村高江地区の牧草地では、午後3時すぎから、白いマスクをつけたアメリカ軍の兵士7人が測定器のようなものを手に機体の残骸に近づき、30分ほど調査する様子が確認できました。
また、午後4時すぎからは、アメリカ軍の兵士2人が残骸のすぐそばで写真やビデオを撮影していました。
さらに、午後5時前には、マスクをつけた兵士がヘリコプターの残骸に何らかの液体を散布している様子も見られました。
【現場近くでは抗議活動】事故現場の近くでは住民や学生のグループなどおよそ30人が抗議活動を行いました。

集まった人たちは横断幕を手に「ヘリ炎上事故弾劾」とか「すべての基地の撤去を」などと声を上げていました。
現場の牧草地に通じる道は、警察が立ち入りを規制していて、アメリカ軍の関係者や沖縄防衛局の職員などを乗せた車の出入りを阻止しようとする抗議活動の参加者と警察の機動隊員がもみ合う場面も見られました。
【高江地区と北部訓練場】アメリカ軍のヘリコプターが炎上した現場となった沖縄県東村の高江地区は、集落のすぐ近くにアメリカ軍の北部訓練場があります。

北部訓練場は沖縄本島北部の東村と国頭村にまたがる広大な施設で、7800ヘクタールあった面積の半分にあたるおよそ4000ヘクタールが去年12月に日本側に返還されました。

しかし、返還される区域内にあったヘリコプター発着場を残る区域に移設することが返還の条件とされ、高江地区の集落を取り囲むように新たに6つの発着場が建設されました。

地元の住民などからは、基地負担の軽減とされた返還がかえって騒音や事故の危険性を高めるとして反発の声が上がりましたが、すでに新たな発着場を使ったオスプレイの訓練が確認されています。

沖縄防衛局がことし7月に行った調査では、オスプレイが1日におよそ30回、離着陸などを行ったことが確認され、騒音も発生していました。

今回、事故を起こした大型ヘリコプターが新たな発着場を使っていたかどうかは、今のところ確認できていませんが、地元の住民からは「心配していたことが現実になってしまった」との声が上がっています。
【沖縄での米軍機事故やトラブルは729件】沖縄県では、これまでも、アメリカ軍の軍用機による事故が起きています。

今回、事故が起きたのと同じタイプのアメリカ海兵隊のCH53ヘリコプターは、平成16年8月、宜野湾市の普天間基地に隣接する沖縄国際大学の敷地に墜落して炎上しました。
この事故では、乗員3人が重軽傷を負い、墜落現場周辺では、大学の校舎のほか、住宅の屋根やドアなどが壊れる被害が出ました。

また、ことし6月には、訓練中に機器の不具合を示す計器が点灯し、久米島空港に着陸するトラブルも起きています。

このほか、平成25年8月には、嘉手納基地のHH60ヘリコプターが沖縄本島北部のキャンプハンセンの敷地に墜落し、乗員1人が死亡する事故が起きました。

去年12月には、空中給油の訓練中だった普天間基地のオスプレイが、名護市の集落までおよそ800メートルの浅瀬で大破する事故を起こしています。

沖縄県のまとめによりますと、昭和47年に本土に復帰してから先月までに、県内ではアメリカの軍用機による事故やトラブルが729件起きているということです。

沖縄県では、本土復帰後、平均すると月に1件以上、事故やトラブルが起きていることになり、そのたびに県や地元の自治体などが抗議する状況が繰り返されています。
【宜野湾市長「市民は衝撃を受けている」】炎上したヘリコプターが配備されているアメリカ軍普天間基地がある沖縄県宜野湾市の佐喜真淳市長は、記者団に対し、「頻繁にこうした事故が起こり、市民は衝撃を受けている。町のど真ん中に普天間基地があるかぎり、こういう事故がいつ起こるかわからない。抜本的解決には一日も早い返還しかない」と述べました。
そのうえで、「実効性のある再発防止策が必要だ。今回、このような事故が起きたということは、政府の今までの取り組みが不十分だったということだ。これまで以上にアメリカ軍に対する協議を重ね、確実に、再発防止に結びつけてほしい」と述べました。
【事故への不安や基地の早期移転を求める声】事故を起こしたヘリコプターが配備されている普天間基地がある宜野湾市では事故への不安や基地の早期移転を求める声が聞かれました。

このうち、50代の女性は「ヘリコプターは落ちるものだと改めて感じました。基地があることに慣れてしまっていますが、できるだけ早く移転してほしい」と話していました。

また、19歳の女性は「自宅が基地に近く、事故が起きるのではないかと怖いです。政府はアメリカとの話し合いの場をしっかり持ってほしい」と話していました。

読谷村の40代の男性は「普天間基地は住宅街に近く事故の危険性が高いので早く移転すべきだと思います。政府はアメリカに何も言えていないので、県は国に対して強く抗議してほしい」と話していました。

スゴ得でもっと読む

スゴ得とは?

おすすめ情報

NHKニュース&スポーツの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

政治 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

政治 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索