日本や中国などアジア地域を管轄するWHO=世界保健機関の責任者は新型のコロナウイルスについて、「直ちに日本で大きな流行が起きるとは考えにくい」と指摘する一方で、来週から始まる中国の正月、春節の期間中は中国国内での移動や海外への渡航が増えることから、監視体制を強化する方針を示しました。

日本や中国を含む東アジアや東南アジアなど37の国や地域を管轄するWHO・西太平洋地域事務局のトップ、葛西健事務局長がNHKのインタビューに応じました。

この中で葛西事務局長は中国の武漢に渡航していた神奈川県に住む男性が新型のコロナウイルスに感染していたことが確認されたことについて「中国の厳重な監視体制の中でも、ヒトからヒトへの効率的な感染は確認されておらず、直ちに日本で大きな流行が起きるとは考えにくい。感染は限定的だ」と述べました。

一方で、感染拡大の可能性については「来週から始まる中国の正月、春節では人々が大きく移動するため武漢で起きたことが中国各地や世界各国でも起きる可能性がある」と指摘しました。

そのうえで「中国とのあいだでは、わずかでも症状が出た人への検査や調査も新たに進めているほか、東南アジアなど周辺国にも技術的なアドバイスも行って感染拡大を防止していきたい」と述べ、各国と連携して監視体制を強化する方針を示しました。
【中国外務省 情報提供に努める姿勢】日本国内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことについて、中国外務省の耿爽報道官は16日の記者会見で、日本の事案についてはまだ把握していないとしたうえで、「中国はWHO=世界保健機関などの国際組織や関係各国に病気の発生状況を積極的に通知しており、密接な意思疎通を保っている」と述べ、情報提供に努める姿勢を示しました。