九州で工場の進出などが相次いでいる「半導体産業」。

人材不足も叫ばれる中、育成の取り組みが進められています。

県立長崎工業高校で、半導体の現場で働く講師による「出前授業」が行われました。

(現場講師 神田誠さん)

「家庭のルームエアコンにパワーデバイス(パワー半導体)がなかったら、どうなるでしょう」

(生徒)

「温度の調節ができない」

長崎市の県立長崎工業高校で行われた半導体の「出前授業」。

元技術者で、現在は九州の半導体産業の活性化に取り組む男性が、半導体の種類や関連産業の動向などを説明しました。

(現場講師 神田誠さん)

「世界のデジタル社会がどんどん広がっている。半導体がすごく大事になってくる。日本も一生懸命半導体を作ろうとしている。その半分が九州で作られている」

台湾の大手メーカー「TSMC」の熊本への進出のほか、県内でも京セラが、関連部品を生産する工場を諫早市に新設するなど、九州で半導体関連企業の進出が相次いでいます。

一方で、懸念されているのが「人材不足」。

九州ではこの先10年にわたって、年間1000人程度の不足が見込まれています。

人材育成を強化するため、長崎工業高校は今年度から、半導体に特化した科目を工業化学科の3年生向けに新設。

その中で、製造現場などの最新の知識に触れてもらとうと、企業などと連携した出前授業が始まりました。

(現場講師 神田誠さん)

「九州のいろんなところで頑張っている企業がたくさんいる。例えば、九州に残って仕事をしたいという人は、そういうところも頭に入れておいてほしい」

(生徒)

「授業だけではわからない現場のことが、現場にいる人から聞けて有意義なものになった」

(生徒)

「九州内に半導体の企業があんなにあると思わなくて、就職先の幅が広がった」

(長崎工業高校 船越 英規教頭)

「我々教員だけの知識ではなくて、より現場に近い人の話を聞くことで生徒はより実社会に意識を持てるし、就職してからのイメージも湧きやすくなるのでは」

今後も1か月に1回程度、県内の半導体関連企業などから講師を招くということです。