原爆で犠牲になった人の名前などを記した「原爆死没者名簿」の風通し作業が、17日に行われました。

被爆者の高齢化が一層進む中、作業に参加した職員は、後世に被爆の実相を伝える決意を新たにしていました。

長崎に原爆が投下された午前11時2分、犠牲者に黙とうがささげられました。

風通し作業は梅雨を前に毎年行われていて、長崎市の職員が名簿をめくり、傷みがないか確認していきました。

現在200冊ある名簿には、広島原爆の犠牲者と被爆体験者を含む19万5704人の名前や死亡時の年齢などが記されています。

(被爆3世 長崎市援護課 山本 李緒さん(23))

「これだけ多くの被爆者の方が亡くなられているということを、改めて実感することになった。名簿に記載されているお名前全てに、きちんと風があたるようにという思いを込めてめくった」

今年4月に入庁した 被爆3世の山本 李緒さん23歳。

名簿に含まれる祖母に思いをはせ、思いを新たにしました。

(被爆3世 長崎市援護課 山本 李緒さん(23))

「今できることをして、後世に被爆の実相をきちんと伝えていけるような仕事がしたい」

長崎市によりますと、市が交付する被爆者健康手帳を所持している人は1万8904人で、2万人を下回りました。

名簿には、去年8月以降に亡くなった人の名前が加えられ、被爆79年となる今年8月9日の平和祈念式典で奉安されます。