【今週の言葉】「台本が送られてきた時は『あれっ? 違う作品の台本かな?』って目を疑う感じだったんですけど、今までとは違う朝ドラが始まるというインパクトを皆さんに感じてもらえると思う」

NHK連続テレビ小説「エール」(主演窪田正孝、30日スタート)の第1週試写会で、土屋勝裕チーフ・プロデューサーが、1話のオープニングシーンについて述べた言葉です。

詳細は避けますが、林宏司氏の脚本による1話は原始時代からスタートすることが明らかになり、取材者たちもたまげるインパクト回。ウイルス対策により、極めて小規模で行われた試写でしたが、「違う台本かと思った」と振り返る土屋氏の笑顔に、会場も「ですよね」と和んだ空気に包まれました。

作品は、高校野球の「栄冠は君に輝く」や、阪神タイガース応援歌「六甲おろし」など、数々の名曲を手掛けた作曲家古関裕而氏をモデルにした物語。主演窪田正孝、ヒロイン二階堂ふみ。音楽とともに生きた夫婦の物語とあって、作品には音楽がいっぱいです。1話の“ギャートルズ”なプロローグも、人間と音楽のかかわりを原始時代までさかのぼって描いたもののひとつとなっています。

土屋氏は、異色の1話に「演出も出演者も『やるんだったら振り切ってやろう』と、けっこう楽しんでやりました。手間のかかる1話でしたが、人生のいろんな場面で音楽ってあるよね、ということを表現した」と、話題性に自信を見せています。主演の窪田さんもコメントを寄せ「軽快かつコミカルに、はるか昔から音楽がいかに人生の中に存在しているかを描いていて、大きなインパクトがありました」。また「西部開拓時代の教会でカウボーイ姿で泣いているシーン」も印象に残るとし、カラフルな内容をアピールしています。

冒頭こそかなりの変化球ではありましたが、15分見終わる頃には、ほほえましい夫婦の姿に大いに笑い、ほろりとさせられました。2話以降は福島での子役時代。挫折や困難が多くありますが、数々のヒット曲を生み出した人がどんな背景で音楽と出会ったのか、家族や友達、恩師との関わりを通して生き生きとした物語が展開していきます。

GReeeeNが歌う主題歌「星影のエール」も明るくて朝に合い、ドローンを使って「奇跡的に撮れた」(土屋氏)という窪田&二階堂のタイトルバック映像も、夫婦となる2人の人柄がにじんですてき。朝ドラ初の4K撮影で、風景も美しいです。キャラクター、物語、音楽にさまざまな「エール」があるドラマ。楽しみにスタートを待ちたいと思います。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)