お笑い芸人とゴミ清掃員。二足のわらじを履くマシンガンズ滝沢秀一(43)が純文学作家の肩書も手に入れようとしている。文芸誌「文学界」新人賞に応募した作品「マリングリーンの下で溢れる」が最終選考に残っておりこのほど、日刊スポーツの取材に応じ、大いなる夢を語った。

8年前、妻の妊娠を機にゴミ清掃員を始めた。18年にはエッセー本「このゴミ収集できません」を出版。翌年出版した漫画「ゴミ清掃員の日常」は重版を重ね、累計6万5000部のヒットとなっている。

「ゴミは宝の山です」。そう胸を張る。応募作品もゴミ清掃員の体験が元になっている。同作を「ゴミ清掃を通して人間的に成長するみたいな物語で、そのゴミの現実を見て、日本は今こういう状況になっているんだという話です」と説明した。

大学では文学部に在籍し、卒論はエドガー・アラン・ポーについて書いた。これまでにも「年に2、3本書いて送ってました」という。「これがダメなら賞への応募はやめようと思って送ったら最終選考に残った。ゴミの話も書いていますが、何度か書いているうちにブラッシュアップされたのかな」。決意の裏には、有吉弘行のエールがあった。「もう分かっていると思うけどゴミの話、小説書けよ」で奮起した。

ゴミ清掃員あるあるをツイッターでつぶやくと有吉がリツイート。それが「このゴミ収集できません」の出版につながった。そして、有吉からエールで書いた作品は最終選考に残っている。「有吉さんには足を向けて寝られません」と感謝した。

お笑いは「笑ってくれればなんでもいい」という滝沢だが、夢がある。「映画をやりたい。僕が台本を書いて。相方(西堀亮)に出てもらって、自分もちょっと出て」。控えめに笑いながら話したが、その目は輝いていた。

結果は4月7日発売の5月号で発表される。

また、漫画「ゴミ清掃員の日常」は第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で審査委員会推薦作品に選出された。妻友紀さんが絵を担当した夫婦合作作品だが、受賞は青天のへきれきだった。「まったく考えていませんでした。賞狙いで書いていたら違う作品になっていたでしょうね。ネタもウケ狙いで書くけど滑りますから」と自虐的に振り返った。

漫画にした理由は「字アレルギーの方もいるだろうし、小学生にこそ読んで欲しかった」。当初のオファーでは絵も滝沢が描く予定だったという。「絵心がない」と断言する滝沢は「妻のイラストを思い出して、編集部に相談したらOKをいただきました。子育てをしながら描いてくれた妻に感謝です」と笑みを浮かべた。【川田和博】

◆滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)1976年(昭51)9月14日、東京生まれ。98年、西堀亮とマシンガンズ結成。08年一般女性と結婚し、13年に父となる。12年からゴミ清掃員を社員として始める。14年に「かごめ かごめ」で小説家デビュー。コンビでは「M−1グランプリ」で07、08年に2年連続準決勝進出。ラジオ日本「60TRY部」「ネガポジ」にレギュラー出演。169センチ、62キロ。血液型AB。