【ダンカンの笑撃回顧録】#33

 クルクルクル、カラーンで、今回は2020年東京五輪・パラリンピック・イヤーの今年、現代なのだ。

 新型コロナウイルスの感染は気になるところだが、プロ野球ファンにはいよいよ球春到来、お気に入りのチームや選手の一投一打に胸躍らせる季節がやってきた。

 その一方でどこか寂しさを感じている野球ファンも少なくないのではあるまいか。2月11日あまりも突然、名選手、名監督だったノムさんこと野村克也氏が逝った……。

 実はその3週間前、1月21日に帝国ホテルで行われた400勝投手金田正一氏のお別れの会で、足腰は弱っているものの、ミスターこと長嶋茂雄氏と並んで献花をする毅然としたその姿をこの目で見ているだけに、俺の中ではどこか釈然としない訃報であったのだ。

 この突然の出来事がたとえば、奥さんのサッチーがまだ健在であったならば、「ムムム……サッチー、財産目当てについに毒を盛ったか……」と思ったのだろうが(思うんじゃねーよ!この不謹慎ヤロー!!)。

 しかし、もうあのノムさんのボヤキ節(解説)をテレビなどの前で聞けないと思うと寂しいと思っている人も多いことだろう……まして、ノムさんは俺の愛する阪神タイガースの監督(99〜01年)をしてくれたり、俺が30年近く記事を書かせていただいているサンケイスポーツの評論家を務めていた関係で、球場で数限りなく顔を合わせていただけに、胸のどこかにポッカリと穴があいたような気持ちなのだ……。

 ノムさん&サッチーのあの夫婦は何だったのだろう? とにかく面白かった!!そして、2人とも息子の克則くん(現・楽天一軍作戦コーチ)を溺愛していたのだ!!

 ノムさんの家に行ったことがあるのだが、三冠王をはじめ数限りないタイトルを取っているのに、それを称えるトロフィーなどはほとんど飾ることはなく、一番目につくのが克則くんがホームランを放った時の特大パネルだってんだから……どんだけうれしかったんだろうねえ……(ちなみにノムさん657ホームラン、克則くん4ホームラン)。

 さらにサッチーもこれは内緒の話だけど、克則くんを不安定なプロ野球界ではなく、どーやら将来的には議員さんにしたかったようなのだ。ある時、俺にコッソリと「その時は力を貸してね?」と耳打ちしてきたことがあったのだった……。

 何はともあれ、そんなオバケ夫婦(失礼!!)の息子、克則くんもサッチーが心配したプロ野球の世界で立派にコーチを務めているのだ。明治大学で六大学野球をやっている時から見ているけど、とにかくズバぬけて性格がよい!! もちろん野球に対しても真剣そのものである。

 世の中には反面教師ならぬ「反面両親」がいるのだなあ……つくづく思いながら、やっぱりノムさんのいないプロ野球は寂しい……です。 (つづく)

(ダンカン/お笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家)