【あの人は今こうしている】

 マグナム北斗さん(56)

 かつて巨根AV男優として名を馳せ、深夜のセクシー番組や週刊誌にレギュラーコーナーを持っていた。その後はタレント、SEX評論家としても活躍。本日登場のマグナム北斗さんだ。大阪・ミナミで本人を直撃!

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「あっかんわー。新型コロナの影響で、ホンマ、人が歩いてないもんね。心斎橋筋商店街なんて、いつもの3分の1やで。まあ、ゆっくりしてってください」

 大阪・千日前のネオン街。小料理店やバーがひしめく阪町ファイブビル5階のスナック「与太ばなし」へ行くと、マグナムさんが迎えてくれた。マグナムさん、マスターになっていた。

「オープンしたのが3年前の8月ですわ。もともとしゃべるのが好きやから、AV時代の話とか格闘技、野球のニュースでワイワイできたらええな、と。たまたま知り合いにココを紹介されて即決やった」

 8坪ほどの店内はL字形のカウンターのみで10席。グラスを拭く姿、黒いベストがサマになっている。

「ただね、ウチは客層が特殊、いうかマニアックな方が多いもんやから、いきなり売り上げが半分になるとかはないんです。『出張で来たんで寄らしてもらいました』言うて、北海道とか九州から来てくれはる往年のAVファンとかコアな阪神ファンが結構いてるんでね」

 2年前、結婚したことが話題になったが?

「はいはい、嫁は真面目な一般女性で、6年ほど付きおうたんですが、『もう、(籍入れても)えぇやろ』と。よもや55歳で結婚するとは思いもせんかったけどね。ハハハハ」

 会場はミナミのキャバレー(!!)。200人余りが列席した。

「乾杯の音頭は、下積み時代から30年以上の付き合いになる『キャイ〜ン』のウドちゃん。AV関係だと大阪に住んでる村上麗奈ちゃん、セクシー番組『海賊チャンネル』レギュラーだった田代葉子ちゃんは九州から。ほかに、中学卒業後に入った航空自衛隊航空教育隊生徒隊(埼玉県熊谷市)の同期、プロレスラー、お笑い芸人……。ホンマ、ありがたいもんです」

 2次会にはプロボクシング・元WBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守も駆けつけた。交友関係の広さがわかろうというものだ。

「浮気? してへんしてへん。昔は昔、今は嫁ひと筋ですよ。これホンマのホンマ。せやのに信じてくれる人が少ないんよね。自業自得? アハハハ」

「総額1億円くらい稼いだんちゃうかな」

 さて、広島県三原市生まれ、兵庫県神戸市育ちのマグナムさんがAVデビューしたのは、航空自衛隊除隊後の1985年。全長25センチの巨砲を武器に、人気AV嬢たちを切って切って切りまくった。

「ギャラは1本2万円からスタートで、最高額が10万円。引退までの約5年間で600本ほどに出たかな。ほかにもテレビとか週刊誌、スポーツ紙にもよーけ出させてもろてたし、付きおうてたお姉ちゃんに小遣いもらったことも……。多分、総額1億円くらい稼いだんちゃうかな。貯金? せーへんせーへん。キレイさっぱり飲み代に消えましたわ。アハハハ」

 そして90年に「裸で天下取ったから、今度はスーツ着て天下取ったる」と電撃引退。漫才コンビ「ハーレム野郎」を結成したり(96年解散)、AVプロデューサー、ナンパ評論家、セックスカウンセラー、デリヘル経営などを経験。また、プロレス好きを買われて、専門誌でライターをしていたこともある。

「89年に(アントニオ)猪木さんがスポーツ平和党を旗揚げして政界に打って出たでしょ。あの時、銀座の山野ホールで演説会があって司会を任されたのがきっかけですわ。それが縁で、今も道頓堀プロレス(大阪)とか格闘技イベントでリングアナをさせてもらってるんですから、人生って面白いもんです」

 だが、ドン底に落ちたこともある。

「ここ10年でも2回、エライ目に遭ってますわ。東日本大震災のあった2011年は、なんの予告もなく年末に失業。14年10月にはノドの声帯部分に腫瘤ができて声が出んようになったしね。この時は咽頭微細手術で乗り切りましたけど、リングアナで声が出んかったら死活問題。以来、たばこはやめてますわ」

 落ちても落ちても這い上がる。メンタルの強さも持ち味だ。

(取材・文=高鍬真之)