【芸能界クロスロード】

 芸能記事の流れの多くは週刊誌から始まりスポーツ紙、ワイドショーと続く。全てがこの流れではないが、この流れに乗るのが近年の不倫記事。

 唐田えりかとの不倫が原因で妻の杏から家を追い出されていた東出昌大。ワイドショーに会見という最終到達点に立った。もっとも立たなければならない事情があった。事が起これば会見を迫るのが近年の流れ。東出もどこかのタイミングでガス抜きをしないと、今後の仕事に支障を来す。必要を迫られての会見だった。

 東出を取り囲むように居並ぶのは各番組のベテラン女性リポーター陣。容赦ない質問が飛び交う。もうお馴染みの見慣れた光景である。古くは二股交際が発覚。囲み取材に応じて嗚咽を上げるように泣きじゃくっていた塩谷瞬。最近では車中浮気が週刊誌に暴かれた俳優の原田龍二。服装からして謝罪の定番、ダークスーツ。うつむき加減に立ち、神妙な顔でひたすら頭を下げていた。東出もダーク系の服。案の定、サンドバッグのような質問攻めにあう。

「杏さんと唐田さんのどちらが好きですか」といった驚きの質問もあった。「杏さんが好きという言葉を引き出したかった」と質問したリポーターのテクニックらしいが、唐田とは「別れた」と明言。不倫当時は唐田にも好意があったとしても、今さら2人を好きか嫌いか、聞く意味があったのか――。

 そんな質問が出るのもNGなしが不倫会見。答えようのない質問に東出はしばしば沈黙。謝罪の基本のような45度の角度でお辞儀を繰り返すだけ。本当に謝るなら家族や迷惑をかけた仕事関係者。リポーターを通じて世間に謝る必要があるのか、不倫会見は常に賛否両論が起きる。妻の不倫疑惑が報じられている立川志らくは、自身の番組内で東出の会見の感想を、「家庭内のことは家族で話し合いすればいい。私を含めて大きなお世話」とピシャリ。一理あるが、会見で言えば、バッシングが増すのは必定だろう。

 結局、会見でリポーターを通して謝罪して収束させるのが最近の構図。かつて不倫した俳優の対応は違った。リポーターの追及にもめげず、特に謝罪することもなく、自分の言葉で対応。石田純一の「不倫は文化」。森本レオは「異文化交流」と表現した。度重なる不倫で直撃取材を受けていた火野正平は「それがどうしたの」と他人事のようにかわしていた。今は不倫発覚から謝罪会見で一通りの儀式は終わる。

 そんな面倒な流れがあっても、忘れたころに発覚するのが不倫。とりわけ、俳優は不倫しやすい環境下にある。歌手は歌番組で単発な散発的な共演だが、俳優は撮影で数カ月間、一緒の現場で過ごす。仕事終わりに食事をすれば、2人の距離は縮まる。東出と唐田のように恋人役を演じれば、感情移入の延長でそのまま恋人関係になることも少なくない。「共演後に恋に発展する」と週刊誌はマークしたものである。それで発覚してもジタバタせず、堂々に対応。逆にリポーターをたじろがせる俳優もいた。そんな俳優はもう現れないのか――。

(二田一比古/ジャーナリスト)