桧山珠美【あれもこれも言わせて】

 新型コロナでドラマの撮影が休止。4月スタートのドラマの大半が放送未定のまま。「半沢直樹」「ハケンの品格」はいつになったら始まるのやら。

「SUITS/スーツ2」のようにスタートしたのはいいが、3話以降放送延期のパターンもある。朝ドラ「エール」や大河「麒麟がくる」もこのままではストックがなくなる。コロナ一色のワイドショーも、自局のドラマの心配でもした方がよいのでは!?

 そんな状況の中で独自路線まっしぐらなのがテレビ東京。

 2〜7日に公式LINEアカウントで「もう一度見たい! テレ東深夜ドラマアンコール」を募集。どうせ再放送をするなら視聴者の見たいものをという視聴者ファーストが心憎い。

 それだけではない。他局が再放送でお茶を濁す中、4月スタートドラマを通常営業(?)で放送しているのだ。

 月曜22時、鈴木京香の「行列の女神〜らーめん才遊記〜」に始まり、「レンタルなんもしない人」「きょうの猫村さん(ミニドラマ)」「浦安鉄筋家族」「捨ててよ、安達さん。」というように……。

 さらに1日からは栗山千明主演「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」がスタート。本来、この枠は田中圭&安田顕主演「らせんの迷宮〜DNA科学捜査〜」が放送されるはずだったが、早々に延期を決定。2018年にBSテレ東で放送され、昨年1月に深夜帯で放送していたこのドラマを再度放送することとなった。

 ちなみに、4月からBSテレ東でシーズン2を放送中でその番宣も兼ねての一挙両得。転んでもタダでは起きない。

「浦安鉄筋家族」に抱腹絶倒

 というわけで、テレ東ドラマで憂さ晴らししているが、こんな時は深刻ぶったモノはノーサンキュー。脳ミソを1ミリも使わなくていいスーパーおバカなドラマに限る。

 金曜深夜「浦安鉄筋家族」。「シリーズ累計発行部数4400万部のギャグ漫画が遂に、笑撃のドラマ化」とあるように、そのハチャメチャぶりに自粛生活のストレスも吹っ飛ぶ。

 タクシー運転手の父親・佐藤二朗、母親は水野美紀、娘が岸井ゆきの、ニートの長男が本多力、小鉄役はリアル小学生で、おじいちゃんはアホの坂田の大沢木一家のお話で、これにからむのが、佐藤に毎回乗車拒否される客の滝藤賢一、ファミレス店長に松井玲奈、娘の彼、花丸木に染谷将太。「麒麟がくる」の織田信長が白ブリーフ一丁で怪演。ゲストも豪華でびっくり仰天。

 ヘビースモーカーの佐藤は食卓でご飯を食べながらスパスパ。副流煙などお構いなし。BPO(放送倫理・番組向上機構)も呆れるコンプライアンス無視のドラマはむしろ痛快。

 不寛容な時代、浦安の地価が下がるからこんなドラマはやめろ! と抗議が殺到するのではと思ったが、「特別協力 浦安市」となっていてこれまたびっくり。

 抜かりないね〜、テレ東。パチパチパチ。

(桧山珠美/コラムニスト)