吉川晃司(54)主演の連続ドラマ「探偵・由利麟太郎」(カンテレ・フジテレビ系)は6月30日に第3話が放送される。23日に放送された第2話の平均視聴率は6.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、第1話の9.6%から大きく数字を下げる形となってしまった。

「ネット上に寄せられた感想を見ていると、〈時系列が複雑〉〈何を言いたいのか、イマイチ分かりにくい〉という声も多いようですね。ただ、複雑怪奇こそが同ドラマの原作である横溝正史の世界観ではあるんですけれど……どうもそこが視聴者には伝わってないのかも」(テレビ誌ライター)

 ただ、〈今の日本に、こんなにもロングコートが似合う人って他にいる?〉〈この脚の長さ、どうなってるの!〉〈54歳で、このスタイル。素晴らしい〉など、由利麟太郎としての吉川のビジュアルの完成度の高さを絶賛する声は多い。

「白髪で一見老人に見えるが、よく見れば若い。由利は原作ではそういうイメージで描かれているのですが、吉川さんはまさにぴったり。白髪が似合うけれど、立ち姿は誰よりも美しい人ですから。原作の由利はもう少しよくしゃべるキャラですが、ドラマでは口数少なくアレンジされており、それも吉川さんの雰囲気によく合っていて、大正解だと思います」と話すのは、脚本家の葉月けめこ氏。横溝作品の大ファンだという葉月氏が、こう続ける。

「横溝作品は『犯人は誰か』を当てるよりは、複雑な人間関係を紐解いたり、『事件の影にこんなにもむごい事実があったのか』などを知ったり、猟奇的でありながら耽美さもある世界を楽しむのが醍醐味だと、私は思っています。血脈関係のドロドロ、男女関係のドロドロさがあってこその横溝作品。現代ドラマでは描きにくくなったそのあたりを、『由利麟太郎』はしっかりと描いていると思います」

 確かに、第2話は猟奇的な内容で血みどろシーンもあった。コンプライアンス最優先となっている現代のドラマ界において、果敢な挑戦をする、なかなかの意欲作といえるだろう。しかも放送時間は深夜ではなく、午後9時台のゴールデンタイムなのだ。

 前出の葉月氏は「金田一耕助は、石坂浩二さんをはじめとして、これまで多くの俳優さんが演じてきました。でも由利麟太郎は、1998年に2時間ドラマで石坂さんが演じたきり。先入観がないぶん、由利麟太郎=吉川晃司という認識が今回のドラマで視聴者の頭に刷り込まれたと思います」と、吉川でのシリーズ化に期待しているそうだ。

「探偵・由利麟太郎」は全5回と通常の連ドラより短くはあるが、まだまだ見どころがありそうな予感。54歳にして地上波連ドラ初主演となった吉川。由利役を役者としての代表作にしてほしいものだ。