【2020年上半期ネット炎上事件簿】#7

 辻希美に代わり炎上クイーンと呼ばれるようになった加藤紗里(30)。今年も年明け早々から離婚、妊娠と騒動を巻き起こし、大炎上した。離婚の真相に触れた動画には、高評価900に対して低評価1万3000がついたほか、非難のコメントが約3000も寄せられ、本人も「なんでこんなにディスられる(非難される)の」と驚くほどだった。

 間を置かずに投稿された動画は、かねて指摘があった整形疑惑について、美容クリニックを訪れて無実の罪を晴らそうとする企画だ。ここで、生理が4カ月ほど来ていないと告白。妊娠の疑いが明らかになったのだが、問題はお腹の子の父親が誰かということだ。

 前夫とは、結婚してからわずか1週間で別居したと、すでに本人が言ってしまっている。同時に、新しく交際している相手がいることも本人がバラしている。

 動画を撮影しているカメラマンが、あおるように父親の心当たりを尋ねると、加藤は「わからない」と言い、さらにあおられると「(離婚した)旦那の子ですよね」と自ら曖昧に呟くのだった。

 もちろん、これに対して「生まれてくる子供が可哀想」に代表される批判が多数寄せられた。それとともに、父親が誰なのかとあおっていたカメラマンにも「見ていて気分が悪」かったなどとクレームが殺到した。

 ここから、加藤がこれまでの炎上とは異なる対応を見せた。その日のうちに謝罪を表明したのだが、それはカメラマンに対する不快感のクレームが数多くあったということに対してのものだったのだ。父親が誰なのかわからない子どもを身ごもったという自身の「非常識」ではなく、加藤が主役の動画にあって、トークの「壁打ちの壁」以外は裏方でなければならないカメラマンの出過ぎた真似の非をわびたわけだ。

 これに対し、さらに「何が問題なのかわかってない」「おとなしくしてろ」などとヒステリックに責め立てる声が寄せられたが、加藤には馬耳東風に見えた。

 なぜかという見立ては、
こうだ。加藤はあくまでカメラマンの「失態」について謝っている。要は、加藤紗里が発信する動画のクオリティーコントロールが甘かったことについて「申し訳ない」としたのであって、一連の加藤がやってきた行為については一言も言及していない。

 加藤のチャンネルに投稿される動画は企画された商品=見せ物であり、フィクションともノンフィクションともつかない、新手のリアリティーショーとでもいうものだ。

 そう理解すれば、なぜ加藤は悪びれずにカメラマンの失態「だけ」をわびるのか、なぜ誹謗中傷にも平気でいられるのか、腑に落ちる。

(井上トシユキ/ITジャーナリスト)