築地火災の火元に…有名ラーメン店の損害補償はどうなる

築地火災の火元に…有名ラーメン店の損害補償はどうなる

 3日午後に発生した築地場外市場の火災は、4日、15時間かけてようやく鎮火。出火元は行列ができる人気ラーメン店「井上」の厨房とみられることが分かった。

 従業員は「ずんどう鍋の火を確認して店を出た」と説明しているといい、厨房のコンロ付近の壁が激しく燃えていたことから、警視庁は調理中の「伝導過熱」が原因とみて調べている。「伝導過熱」とは、コンロの熱がステンレス板を通じて内部の可燃材に伝わることにより発火する現象のこと。昨年、都内で同様の火災が20件以上発生している。

 驚いたのは、「井上」周辺の変わり果てた様子だ。木造の店舗7棟計935平方メートルを全焼。鎮火後の現場を見に行くと、規制線が張られ、人影がまばら。鼻をつく焦げたような臭いが漂っていた。

 幸い、けが人は出なかったが、今後の焦点は「井上」が損害補償の責任を負うかどうかとなりそうだ。全焼した区域にはカフェ、総菜店など20店舗近くあり、いずれも完全復旧まで1年近くかかる見通しだという。家賃などから換算すると、被害総額は数億円に上るとみられている。

「店の責任を問えるかどうかは、注意義務を著しく怠った重大な過失があったかどうかによります。例えば、寝たばこ、火をつけっ放しで店を離れたなどがこれに当たりますが、『井上』側の説明が事実とすれば、重過失には当たらない可能性があります。火を消したのに壁が燃えるとは予測しにくいからです」(上田啓子弁護士)

 2016年12月に発生した新潟県糸魚川市大規模火災の火元となったラーメン店主は先月、業務上失火罪で在宅起訴された。糸魚川の店主は鍋に火をつけたまま店を離れて空焚きを招いたというから、火を消して出かけた今回の「井上」とは事情が異なる。

 それにしても、あっさりしたスープに細い縮れ麺が浮かんだ「井上」の昔ながらの中華そばがしばらく食べられないのは、ちょっと寂しい。

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