9歳女児が下敷きに “違法建築ブロック塀”誰が有罪になる?

9歳女児が下敷きに “違法建築ブロック塀”誰が有罪になる?

 9歳の女児が死亡した事故にショックを受けた人もいるだろう。

 18日、大阪北部で起きた地震で、高槻市の寿栄小学校のプール脇のブロック塀が崩壊。通学中の女児が下敷きになった。このブロック塀は長さ40メートルで高さ3.5メートル。上半分が切断されたように崩れ落ちた。崩れた部分はブロック8段分で高さ1.6メートルだ。

 地元の人によると、この塀はもともとは背が低かったが、プールをのぞかれないようにブロックを継ぎ足して高くしたという。耐震性に問題がなかったかを聞くため同校に電話したところ、教頭が対応してくれたが、「市役所に一任しているので、個別の質問には答えられません」と、ノーコメント。高槻市教育委員会は会見を開き、壁の構造や強度が脆弱だったことが倒壊の原因だと説明した。

 大阪府によると、ブロック塀は建築基準法によって高さ2.2メートル以内で壁の厚さは15センチ以上。ブロックの中に直径9ミリ以上の鉄筋を縦と横に80センチ以下の間隔で通して補強するよう定められている。高槻市のケースは、違法建築の疑いが強い。

「ただし構造計算によって安全が確かめられれば、この限りではないと定められています。3.5メートルでもしっかり補強していれば問題ないことになります」(建築指導室検査指導課)

 問題のブロック塀が継ぎ足しで3.5メートルに伸びたのが事実なら、どのような工事をしたのだろうか。

「鉄筋を伸ばし、同時に『控え壁』を造るのが一般的です」とはベテランの1級建築士だ。

「ブロックの中に縦向きに通っている鉄筋を新たな鉄筋と溶接で接合して長さを伸ばしますが、それだけでは弱いので控え壁を造ります。控え壁は塀に接合しているでっぱり状のブロック。大抵の人が見たことがあるはずです。この控え壁の基礎部分をコンクリで固め、従来の塀と鉄筋同士を結び付けて一体化する。これによって、塀の内側と外側のどちらに力がかかっても控え壁が持ちこたえて倒壊を防ぐことができます。ただし寿栄小学校の壁は控え壁がなく、単にブロックを重ねて高くしたように見えますが……」

 今回の事故では幼い命が奪われた。遺族が刑事告訴したら、どのような罪に問えるのか。弁護士の篠原一廣氏に聞いた。

「業務上過失致死が考えられます。こうした場合、遺族は学校を刑事告訴し、警察は訴えを受理した上で施工業者や学校関係者などを調べ、責任の所在を明らかにします。業者が費用を安く上げるために手抜き工事をしたのではないか、学校側が安全性の高い工法があることを知りながら、塀が壊れやすい工事を選んだのではないかなどを調査。もし学校に落ち度があれば高槻市の責任を問うことになります。女児が命を落とした重大な事故なので、遺族が告訴しなくても警察が捜査に着手すると思われます」

 業務上過失致死の量刑は5年以下の懲役または禁錮、あるいは100万円以下の罰金だ。警察は手抜きをせず、しっかり調べてもらいたい。


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