故・樹木希林さんも別居婚 民法上の気になることを弁護士に聞く

故・樹木希林さんも別居婚 民法上の気になることを弁護士に聞く

 今月15日に亡くなった女優・樹木希林さんは、全身がんと闘いながら女優魂を貫き通した姿が印象的で、テレビや雑誌で報じられている。それに加えて注目されるのが、夫・内田裕也氏とのこと。43年にも及ぶ「別居婚」生活だ。

 そのスタイルは文字通り“籍を入れ続けながら同居はしない”というものだが、民法第752条は、夫婦に対し「同居、協力及び扶助の義務」を課す。別居婚は、「同居の義務」に違反しないのだろうか。「よつば法律事務所」(大阪市)の大川哲次弁護士が言う。

「民法第752条の趣旨は、結婚した以上、一緒に暮らして、協力し、助け合わなければいけないという当たり前のことを説いていますが、強制力はなく、罰則もありません。また、お互いに同意の上での別居婚なら、なんら問題はありません」

 樹木さんのケースは同意の上だから問題ないが、問題になるケースもある。どちらかが一方的に家を出て、最低限の協力も生活援助も行わない場合だ。出て行かれた方にとっては、正当な離婚理由になるし、家庭裁判所に同居を求める調停や審判を申し立てることもできる。裁判所が同居を命じても、強制力はないが、今度は出て行かれた方が損害賠償を請求する可能性は十分あり得るだろう。

 では、生活の細かい部分はどうなるのか。例えば、住民票は?

「同じ場所でも、別々にしても構いません。ただし、同じだと行政からの通知や選挙の投票券が直接自宅に来ないなど不便なこともあるでしょう」(大川氏)

 樹木さんは生前、「(内田氏と)会うのは年に2回くらいで、介護保険料の報告をするときや保険証を渡すときくらい」と語っていたのは、行政にまつわることが理由なのだろう。サラリーマンなら、家族手当などを受け取れない場合もあるという。

 もうひとつ気になるのが相続問題だ。

「結婚している以上、別居でも同居でも相続権はあります。遺族年金を受け取ることもできます。長年同居していても、内縁関係の夫婦だと、原則それらの権利はありません。あくまでも婚姻関係の有無が根拠になるからです」(大川氏)

 経済的な問題がなければ、別居婚のデメリットは意外と少ない。年中顔を突き合わせて険悪になるくらいなら、夫婦のためと割り切ってみるのもいいかもしれない。


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