年も明けたばかりだというのに、引っ越し業者への予約はすでに始まっている。業者がつかまらず、引っ越しを断念する「引っ越し難民」という問題が続いているのだ。娘の1人暮らしを控える親も気が気でない。

 昨年の朝日新聞の報道によれば、3月に東京都から静岡県に単身で転居する予定の女性が費用の見積もりを依頼したところ、業者から提示された料金は「40万円」を超えていたという。

 日本全体の転居数は年間約535万人。そのうちの3割強が3月と4月に集中。昨年はとくにヤマトHD傘下の引っ越し会社が事業改善命令を受けていたこともあって、全体の料金が高騰した。

 引っ越し料金比較サービス「引越し侍」によると、3月から4月の繁忙期の平均料金は単身が12万9756円、家族向けが21万1762円。家族向けは16年の16万9091円から4万円以上も高くなっている。今年は消費税増税もあり、さらなる値上がりは必至だ。

トラック不足、深刻な人手不足…

 需給バランスの他に料金高騰の要因はいくつかあるが、第1がトラック不足。

 全日本トラック協会の担当者がこう話す。

「宅配の大手業者は引っ越し専用車両も確保しているものですが、宅配の売り上げが伸び、引っ越し専用車両を宅配向けに改造してしまったケースもあると聞きます。引っ越しシーズンだけ、すぐに元に戻すこともできず、トラックの絶対数が限られるのです」

 同協会では、国交省の助言で「引越混雑予想カレンダー」を作成。今年の特繁忙期は3月20日から4月5日までの17日間になる。この間も土日祝が絡めば、直前の予約はほぼ不可能。とくにタワーマンションはエレベーターの確保の問題から、受け入れてもらえないケースが目立つ。

 もちろん、人手不足も深刻だという。法人向け引っ越しサービスを得意にする「リベロ」の広報担当者がこう言う。

「やはり人手不足は深刻ですね。引っ越し会社の宅配業への転業増加や働き方改革、若年層の免許取得率の低下もあります。トラック不足に関しては、例えば東京から静岡まで荷物を積んで行っても、帰りはカラになって戻ってくる。そんな積み残しのムダを避けるため、引っ越し会社約50社のマッチングをさせるプロジェクトを始めます」

 とはいえ、利用する側としては、引っ越しができればいい。いくつかの業者に確実に予約できる方法を聞くと、「今の時点で予約する」ことに尽きるようだ。ただ、転居先が決まっていなければ、現実的には見積もりを依頼することもできない。

宅配なら大型冷蔵庫で1万9000円台

 そこで最後の手段が“自力”の引っ越し。昨年はなんと、全体の12%が業者に頼むことができず、自力で荷物を運んでいたのだ。

 荷物の多い引っ越しにはあまり推奨できないが、レンタカーを借り、家族や友人を総動員して引っ越しを手伝ってもらう。

 ニッポンレンタカーは普通免許で運転できる軽トラ(T―Hクラス)と小型トラック(T―Sクラス)の予約が今からOK。朝9時から12時間、「豊洲店」で借りた場合の料金は軽トラで6270円(会員料金)。引っ越しそばの代金を費用に算入しても、単身の全国平均12万9756円から10万円ぐらいは浮く計算だ。少し荷物が多ければ、小型トラック(7370円=会員料金)を使う手もある。

 さらに裏ワザとして、すべてを宅配で済ませる方法もある。ゆうパックには「重量ゆうパック」というサービスがあり、25〜30キロの荷物で170サイズ(縦・横・高さの合計=センチ)なら、東京間の料金は2860円、東京から大阪なら3040円だ。

 一方、ヤマトホームコンビニエンス「らくらく家財宅急便」なら家具やベッドも送れてしまう。

 やはり東京から大阪の料金は、「押し入れタンス・ひじ掛け・エアコン室外機など」が5390円、「全自動洗濯機・学童机など」は8855円、「ソファ(2人掛け)・自転車・食器棚など」は1万2375円、「大型冷蔵庫・シングルベッドなど」は1万9525円、「ダブルベッド・衣装タンス」が2万6345円となっている。送る家財の数によっては10万円以内の引っ越しも可能になる。

 安く済ませたいなら“自力”の引っ越しも選択肢に入れたい。