自動車の人気車種はモデルチェンジで外観が大幅に変わると、パタッと売れなくなることがよくある。また、スポーツモデルのエンジンがダウンサイジングされると、かつてのモデルを懐かしむ声も聞かれる。かといって、故障を心配しながら、あえて維持費のかかる旧車を乗り回すのはなかなか難しい。

 そんな年式の高い車に、安全に、なるべくコストをかけずに乗りたいというニーズに応えるサービスがあるという。輸入中古車をメンテナンスパック付きで販売している「ポディウム」(東京・代官山)の三佐川世光さんに話を聞いた。

「私どもは50年以上、整備工場やガソリンスタンド、カー用品店、コーティング専門店を運営してきました。専門的なノウハウが必要な輸入車の整備などを得意としています。代官山という場所柄、輸入車に乗られるお客さまが多く、ディーラーのメンテナンスの保証期間が切れた輸入車のトラブルや整備など、さまざまなご要望を受けているうちに、お客さまから持ち込まれた車だけでなく、こちらが仕入れた状態のいい中古車を機関整備からボディーコーティング、タイヤやオイル、部品の交換などをすることで、少し年式の高い車でも、長距離でもトラブルなくドライブを楽しめる状態にして販売するサービスを2016年に始めました」

 サービス開始当初は、1996〜2004年に製造された初代のポルシェ・ボクスター(平均走行距離5万キロ程度)を点検整備し、200万円台で売り出した。これには2年以内の車検点検、6カ月ごとのオイル交換、ボディーケア、コンピューター診断などの2年のメンテナンスパックが付いている。さらに、必要であれば、優待価格でタイヤやバッテリーの交換などもできる。

「初代ボクスターは6気筒エンジンを搭載しているので、4気筒になった現行のボクスターを残念に思っている方から今も人気があります。ほかにも、お客さまが持ち込まれた車や希望の車種をこちらで探して、外も中もキレイな状態に仕上げたり、売却のお手伝いをしたりもしています」

 昨今は、80年代や90年代に人気のあった希少車種が高値で取引されたり、「Anyca」などの個人間カーシェアサービスで高値で貸し出されたりと、趣味と実益を兼ねて古い車を所有する人も多いという。かつて、乗ってみたかった憧れの車を、なるべくお金をかけず、トラブルなく乗りたいという潜在的な需要は少なくない。三佐川さんは「車のことであればどんな要望にもお応えする、かかりつけ医のような存在になれるよう努めています」と話す。

(取材・文=伊藤洋次)