たばこをやめたい人が貼る「禁煙のためのニコチンパッチ」は珍しくありませんが、肉を食べるのをやめたい人が貼る「肉断ちパッチ」が大きな話題になっています。一体何が起きているのでしょう?

 実はアメリカでは数年前からプラント・ベース(植物性)食品への注目と同時に、肉も魚も乳製品も、動物性タンパク質は一切取らないビーガンの食生活への興味が急激に高まっています。

 実際にアメリカのビーガン人口はわずか3%ですが、その数は2014〜17年の間に6倍に増えたという数字があるほど。野菜など植物性の食品を中心に、時々肉や魚も食べる「フレキシタリアン」は、フェイスブックが予想する2020年の注目トレンドにも選ばれました。

 ではなぜ肉をやめる、または減らしたいのでしょうか? そこにはまずアメリカ人の4割が肥満症という深刻な健康の問題があります。さらに若い世代を中心に動物虐待につながる工場畜産への反感と、畜産から発生する温室効果ガスが地球温暖化を促進させているという危機感が、肉を減らそうという動きにつながっているのです。この動きはヨーロッパなどの先進国でも共通しています。

 しかし肉の消費が日本人の2倍という肉好きアメリカ人にとって、肉断ちは簡単なものではありません。

 そこで、ストロング・ルーツというアイルランド発のビーガン食品メーカーが思い付いたのが、肉を食べたくなくなるパッチです。現在、オックスフォード大学のチャールズ・スペンス心理学部教授とタッグを組み開発中ですが、ニコチンパッチとは違い、貼るとベーコンのにおいがするだけという単純なもの。大量のベーコンのにおいを嗅ぐことで、肉を食べたい欲求が抑制されるのだとか。

 本当に効果があるかは別として、ベーコンの香りのオーデコロンもあるほどベーコン大好きなアメリカ人ですから、発売したら大ヒットしそうな予感がします。