長寿の秘訣は穏やかさとオシャレ――。112歳で国内最高齢男性の渡辺智哲さんが12日、ギネスワールドレコーズ(英国)から「存命中の世界最高齢男性」に認定された。

 渡辺さんは1907年3月5日生まれ。45年まで台湾の製糖会社に勤め、帰国後は新潟県上越市で暮らした。108歳から市内の介護施設で生活している。何が長生きにつながったのか。渡辺さんの長男の妻・洋子さんは「穏やかな性格で、体をよく動かしたことでしょうか」と言う。

「私が嫁にきたとき義父は55歳でした。以来約50年一緒に暮らしてきましたが、温和な性格で怒った姿を見たことがありません。家庭菜園でキュウリやトマトなどをつくって家族と食べ、毎日、午前と午後に必ず30分間散歩していました。70歳から盆栽教室に通ってシニア展に出品。庭に100鉢以上を並べて、ご近所に配っていました。88歳で自転車で転んで大腿骨を折ったときは障害者手帳をもらいましたが、退院後すぐに杖なしで散歩を再開しました」

 相撲中継と野球中継が大好きで、ごひいきの力士が勝つと「〇〇が勝った〜!」と大喜び。90歳を越えても自分で温泉旅行を計画し、近所の人と出掛けていた。

 好物は豚足で、自分で毛をむしり、甘辛く煮付けて食べる。若いころから甘いものに目がなく、おやつはお茶を飲みながらなめる黒砂糖。アルコールはビールの350ミリリットル缶を半分飲むと顔が赤くなるため、それ以上は飲まないそうだ。

■108歳から趣味の書道

「オシャレな人です。外出のときはダークスーツにネクタイを締め、タイピンにもこだわる。嫁の私が見ても『すてき』と思うほど決まっています。100歳を過ぎて本革製のカウボーイハットを通販で買い、いつもかぶっていました。94歳でブラジル旅行に出たときカーディガンを用意したら、『そんなものは着たくない』と自分で選んだスーツを着て飛行機に乗りました」(洋子さん)

 リハビリのために108歳から始めた書道は趣味となり、毎日続けている。今も会話ができるほど頭がしっかりしている理由を洋子さんは「105歳まで毎日日記をつけ『今日はどこに行った』などと書いていました。おそらく読み返しもしていたはず。それが刺激になったのではないでしょうか」と指摘する。ちなみに洋子さんは1938年生まれ、今年82歳だ。

 何から何までポジティブな渡辺智哲さんの人生。われわれも参考にしたい。