新型コロナのパンデミックが加速し、いよいよ日本は大不況に突入しつつある。景気の悪化は数字にも表れはじめた。

 3月の全国の百貨店の売り上げは前年同月比4割減と過去最大の落ち込みになる見通しだ。日本政策金融公庫に寄せられた中小企業の相談件数は22日時点で約9万1000件と15日時点から2・5倍に急増。コロナ倒産はすでに12件も発生している。

 最悪なのは、4月以降、家計を直撃する「値上げ」と「収入減」が相次ぐことだ。すでに、銀行の手数料や25都道府県のタクシーは値上げされている。

 来月からは、日清オイリオの食用油や、日本郵便の「クリックポスト」などがアップ。また、紹介状なしの初診料の割り増し対象が拡大するなど医療費の負担も増える。

 さらに、収入減も襲ってくる。「働き方改革」によって、4月から中小企業にも残業時間の上限規制が適用されるからだ。残業代が少なくなり、手取り減は必至だ。中小企業で働く労働者は、全就業者の7割を占めるから、多くのサラリーマンが収入減となる可能性がある。コロナ対応で急速に広がっているテレワークによって、残業代が減るケースもありそうだ。

 年金生活者の懐も寒くなる。来年度(4月以降)、2年連続でマクロ経済スライドが発動され、物価の上昇より年金支給額は低く抑えられるからだ。実質カットである。

 立正大客員教授の浦野広明氏(税法)が言う。

「新型コロナの感染拡大により世界的な不況が起きても、内需がしっかりしていれば、日本経済は踏ん張ることができるはずです。ところが、アベノミクスは、輸出やインバウンドなど外需一辺倒で、内需をおろそかにしてきた。それは、消費増税や社会保障のカットに表れています。コロナ禍を契機にすみやかに家計を温める政策に転換すべきです」

 アベノミクスの愚策のせいでコロナ不況は重症になりそうだ。